「最後まで勝負を捨てない」初代貴ノ花の驚異的な“粘り腰” 原点は兄・二子山親方の「凄絶スパルタ指導」にあった(小林信也)

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「角界のプリンス」初代貴ノ花は、昭和を代表する人気大関だった。筋肉質、ぜい肉のない細身の体。身長は183センチ、関取になった時、体重は100キロに満たなかったという。それでいて巨漢の高見山を豪快に投げ飛ばす、土俵際で起死回生のうっちゃりを決める。細身ながら胸のすく勝ちっぷり、驚異的な粘り腰はファンの胸を熱く躍らせた。

 最初の触れ込みは「元横綱若乃花の弟」だった。22歳上の兄・二子山親方は幼い頃に父を亡くした貴ノ花にとって父親代わりだった。

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