作家生活40周年の井上ヨシマサが語る、小泉今日子や少年隊、郷ひろみら豪華顔ぶれへの楽曲提供秘話「ミポリンの曲をカッちゃんが褒めてくれたことがきっかけ」

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中山美穂の楽曲はノンタイアップで14週オリコンTOP20入り! 広瀬香美とは「家族ぐるみの関係」

 そしてアルバム3曲目は、中山美穂の‘91年のシングル「Rosa」をデュエット。当時、ハウス・ミュージックをJ-POPに大胆に取り込んだ楽曲ではほぼヒットの前例がない中で、ノンタイアップながら14週間もオリコンTOP20入りするというロングヒットとなった。ちなみに、作詞の一咲(いっさく)は中山本人で、編曲のATOMとは、井上とマニピュレーターの久保寛一郎とのユニット。編曲のみならず、この頃からレコーディングからMIXエンジニアまでも自身で手がけるようになり、最近ではマスタリングも担当している。

「最初にKYON2に提供した際、“自分でも歌えるように作ったのに、KYON2が歌うとKYON2の歌になっている!”って驚いたんですよ。そういった経験を積んでいたので、この時も、ハウスに歌が入ってもミポリンの歌になると思って、トライしてみたんです。ともすれば当時のシングル表題曲には選ばれないようなこの歌がロングヒットになったことは、いわゆる業界人が判断する以上に、オーディエンスの耳が肥えている証だと思っています。ここでの実験的なアプローチが少年隊に繋がっているんだから、なんでもやってみるものですね」

 アルバム4曲目の「旅立つ日~完全版」(with松山優太)と5曲目の「ブルーウォーター」(with 森川美穂)については、インタビュー前編をお読みいただきたい。そして、6曲目は広瀬香美の「GIFT」。もともと壮大なバラードだったが、ここでのデュエット・バージョンは、後半の男女ボーカルが交差することで、よりセクシーでラグジュアリーに変わっていて、ドキッとさせられる。

「これはアレンジをシンプルにした分、ボーカルが前に出ていますね。広瀬香美ちゃんとは家族ぐるみの付き合いで、タメ年というのもあって、お互い遠慮がないんですよ(笑)。香美ちゃんがパワフルに歌って、僕もそれに食らいついて歌いました。今回のデュエットでは、歌のうまい人がたくさん参加していますが、誰とも張り合ってはいませんよ(笑)。ただひたすら、みんなが心地よいと思ってくれそうなバランスを考えながら、何度も歌い直しました」

 さらにAKB48がオリジナルの2曲(高橋みなみ、矢作萌夏とデュエット。こちらも前編の記事を参照)をはさんで、9曲目にTHE GOOD-BYEの野村義男と「25ans」で共演。イケオジ二人のやんちゃな雰囲気がよく出ている。

「ヨッちゃんとは、KYON2の『学園天国』のバックバンドとして、一緒にテレビで演奏しました。『ミュージックステーション』に出た時は、(出演者がもらえる)ティッシュも持って帰りましたよ(笑)」

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