AKB48大ヒットの立役者が明かす“『RIVER』は「数十回直した」” 秋元康とミリオン連発…劇場客を“ドン引き”させた経験も

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『Everyday、カチューシャ』作成中に被災。作品に込めたメッセージとは

 再生回数第1位にランクインしたのは、作曲・編曲を手がけた‘11年のシングル「Everyday、カチューシャ」(作詞・秋元康)。本作のCD売上は約161万枚で年間2位(オリコン調べ)、ダウンロードがミリオンヒット(日本レコード協会調べ)で年間5位(レコチョク調べ)、カラオケも年間2位(JOYSOUND調べ)と当時、全方位で大ヒット。しかも、今でもサブスクで人気というパーフェクトなヒット曲と言える。

「『Everyday、カチューシャ』は、もうエピソードが多すぎて全部は話せません(笑)。‘11年5月に発売でしたが、その何か月も前から作っていました。あの頃のAKB48はミリオンを連発し、“この子をセンターにしたい”、“あの子を推したい”といった要望が各方面から秋元(康)さんに殺到しているに違いないと思ったので、“僕はメンバー全員のことを1番だと思っています”という気持ちを乗せようと、初期のデモはハートフルなロックでした。

 作業を進めるなかで、特に秋元さんからのダメ出しがあったのはイントロのところ。最初は、“もっと明るくして”、“いやいや、これ以上明るくできません”、ってお互いにゴネて(笑)。それが落ち着いた後も、僕は“カチューシャ”という歌詞に戸惑っていました。でも、“この作品は夏に向けたシングルで、ミュージック・ビデオも海外で撮影するという内容を考慮した上でのキーワードだ”と言われて納得したんです。

 そんな風に(秋元さんと)ぶつかりあって、最終的に『バウンス』と呼ばれる作業、つまり、ボーカルや演奏、コーラスなど、これまで録音した数百トラックを再生可能な形式に書き出す作業を進めていきました」

 そのさなかに、東日本大震災が起こったという。

「ENTERキーを押した途端、部屋が揺れ出して、俺は何かの発射ボタンを押してしまったのか!?と驚いて、機械をそのままにして急いで外へ避難しました。しばらく時間が過ぎ、ようやく揺れが収まってからスタジオに戻ったら、スピーカーはひっくり返ってとんでもないことに……。でも、書き出したデータには大きな被害もなく、地震を乗り越えてくれたんですよ。

 だからこそ、この曲はそのまま世の中に出すべきだと確信しました。聴いた方々も、何かを乗り越えて元気になってくれるんじゃないかと。さらに、MVのエンドロールでAKB48のメンバー全員が日本に向けて手を振っているシーンで、追悼の意味を込めて、この曲のインストルメンタルをピアノで弾かせてもらいました。この曲が今でもこれだけ支持されているのはきっと、そういった想いがみなさんにも繋がっているのかもしれませんね」

 なお、最新アルバム『再会 ~Hello Again~』では、本作をトロピカルな雰囲気のレゲエ調にアレンジし、“たかみな”こと初代総監督の高橋みなみとデュエットしている。

「“たかみな”は、メンバーも世の中のことも一番見てきたので、AKB48の代表として歌ってもらいました。彼女は、ブレイク前の苦しい時代も知っているため、レゲエのアレンジでもピッタリでした。レゲエって、反体制がルーツにありますから」

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