飲酒運転で当て逃げ、マネージャーを身代わりに…32歳「人気歌手」を韓国国民が非難しにくいワケ

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「大統領候補にだって飲酒運転歴がある」

 ここ数年、韓国では飲酒運転に対する処罰が厳しくなっていただけに、キム・ホジュンの事件は衝撃を持って迎えられた。芸能業界の関係者は次のように明かす。

「キム・ホジュン事件をきっかけに、事務所は所属タレントに『飲酒運転は人生を滅ぼす』と厳しく伝えるようになりました。本人に運転をさせないようマネージャーの人数を増やした事務所もありますし、大手では専任の運転手を雇い、プライベートで食事に行くときや、少しでも酒を飲むときは、代わりに運転するようにしたプロダクションもあります」

 韓国国民にとって少しだけ悩ましいのが、キムを擁護するファンの〈社会の模範となるべき国会議員にも飲酒運転や前科を持つ人が大勢いる。たった一人の芸能人に、それ以上の道徳的な基準を要求するのは納得できない〉(SNS投稿より)という意見に、反論しにくいからだ。

 知人はこんな感想を漏らしている。

「現在、左翼野党『共に民主党』の代表、李在明(イ・ジェミョン)議員だって飲酒運転で逮捕されています。そんな前科があるのに、次期大統領候補の声もあるわけです。キムのファンの文句を、受け入れる気はありませんが……」

 今年4月に行われた総選挙でも、全立候補者587人中144人に何かしらの前科があり、そのうち52人には飲酒運転歴があった。罪を犯した人間は、いかに赦されるべきなのか――キム・ホジュン事件が、思わぬ波紋を呼んでいる。

ノ・ミンハ(現地ジャーナリスト)

デイリー新潮編集部

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