「裁判は続行」「実家の鍵は付け替えられ、墓は“メルヘンランド”に…」 「平尾昌晃」没後7年、次男が語る後妻との60億円「遺産トラブル」の今
スタッフたちは息子側に
こうした争いが長期化し、後妻と息子たちの間の距離は開く一方。それに伴い、さまざまな問題も発生しているという。
「一番納得できないのは、音楽事務所の入る西麻布のビルの鍵を付け替えられてしまったこと。あそこは私たち兄弟が生まれ育った実家でもあり、父の衣装やギターなど思い出の品や、自分たちの荷物もあります。そんな思い入れのある場所に入ることが出来なくなってしまったのは本当に残念で、怒りを覚えます」
谷中霊園にある故人の墓地の管理は亜希矢氏が行っている。しかし、
「私は名古屋に住んでいるので、時々しかお参りできませんが、行くと、墓が大変なことになっているんです。クリスマスには派手な装飾をされたり、ハロウィンの季節にはパンプキンのグッズがあったり。サンリオのものと思われる人形も置いてあったりする。勝手に花も植えてしまったり……。仕方なく片付けて帰るのですが、兄や弟が行くとまた遊園地みたいになっているそうです。あの墓所は平尾家先祖代々の墓地で、父以外の先祖も眠っています。古いながらも格式のある墓所がいつしかメルヘンランドみたいになってしまっている。これは非常に恥ずかしいことです」
現在、音楽事務所は後妻が代表を務め、前述のように著作権管理会社は亜希矢氏が代表を務めている。また、平尾は生前、NPO「ラブ&ハーモニー基金」も設立し、福祉施設への支援を行ってきたが、こちらは勇気氏が後を継いでいる。
「トラブルの発生後、著作権管理会社やNPOはそれまでいた西麻布のビルを出て、築地に新しい事務所を置きました。すると西麻布にいたスタッフが次々とこちらに移って来た。もともと平尾昌晃が好きで一緒にいたスタッフたちが彼女の元を去っていったというのは、故人の遺志を継ぐのはこちら側だと思ってくださっていることの現れだと思います。そんなこともあり、音楽事務所は開店休業状態のようですよ」
ハリウッドドラマの主題歌に
かようにトラブルばかりが目立ったこの7年。そんな中でも亜希矢氏は、日々父の偉大さを実感していたという。
「著作権管理の仕事をしていますから、父の遺したものの大きさを肌で感じています。先日も西島秀俊さんが主演するハリウッドドラマの主題歌に、父の『修羅の花』が決まったとの知らせがあったばかりです。海外の人が父の曲をどう見つけたのかと不思議に思いますが、それだけ人々の心を揺り動かすものだったということでしょう。こうした財産を守っていくのが私の使命だと思っています。また、父が生前から年に一度行ってきた『平尾昌晃チャリティゴルフ』は今でも続けていますが、亡くなって月日が経つのに、芸能界はじめ、多数の方々が参加してくださいます。そうした場で、父がどんな人間だったのかを聞くと、実の息子の私でも知らなかったことが多い。毎回毎回、父を再発見しています」
もう後妻との争いはやめるべきだとの声もあるのは事実だ。
「確かに生前の父は平和主義者でとても優しかった。金銭の執着もなく、誰からも愛されていました。そんな父ですから、自分の名前が諍い事の記事で出ることは、正直好まないでしょう」
ただ、として言う。
「先ほど申し上げたように、彼女の周辺からはまだまだ不可解な話がたくさん出てきています。そうした疑問を残したままでは、父も安らかに眠れないだろうと思います。何が起こっていたのかを明らかにし、争いに早く決着を付け、それを父に報告する。そして父が遺した大きな財産を世に広めていく手伝いが出来ればと思っています」
一方の後妻にも本件について伺ってみたところ、以下のように言うのみだった。
「言いたいことは山のようにありますが、私がこの件について話すと結果的に平尾の名誉も汚すことに繋がってしまいます。お答えは控えさせていただきます」
争いに終止符が打たれる日はいつだろうか。