「裁判は続行」「実家の鍵は付け替えられ、墓は“メルヘンランド”に…」 「平尾昌晃」没後7年、次男が語る後妻との60億円「遺産トラブル」の今

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 昭和のヒットメーカー・平尾昌晃(享年79)が死去して、この7月21日でちょうど7年。ロカビリー三人男の一人として人気を博し、「よこはま・たそがれ」(五木ひろし)、「夜空」(同)、「瀬戸の花嫁」(小柳ルミ子)など数多くのヒット曲を生み出した戦後歌謡史を代表するビッグネームである。一方で死後は、後妻と息子たちとの間で遺産などを巡る争いが起きたこともクローズアップされた。あれから7年、トラブルは収束したのか。次男の亜希矢氏に「平尾家の今」を聞いてみた。

三男の告発会見

 まずは平尾の家族関係を整理しておこう。

 生前の平尾は3回の結婚歴があり、最初の妻との間に長男、2番目の妻との間に亜希矢氏、そしてミュージシャンとしても活躍する三男・勇気氏をもうけた。

 2013年に結婚した3番目の妻は、平尾のマネージメント会社「平尾昌晃音楽事務所」でマネージャーを務めていた2回りほども年下の女性である。

 トラブルが表沙汰になったのは、死の1年余り後、三男の勇気氏が記者会見を行い、後妻が「父の遺産を独占しようとしている」と告発したことが発端だった。

 平尾の遺産は、膨大な楽曲の著作権料や不動産など計60億円と言われている。

 勇気氏曰く、平尾の死後、後妻はJASRACの権利を独占して相続しようと試み、また、遺産の全容も明らかにしようとしなかったという。

 さらには、生前の平尾は前述の音楽事務所と著作権管理会社を経営し、没後は後妻が代表に就いたが、その社長就任も株主総会の決議を経ていないとして、取締役の職務執行停止の仮処分を申請したのである。

 これに対し、後妻も反撃に出る。記者会見での「極悪非道の後妻ビジネス」との発言を名誉棄損だとして、勇気氏の関係者を提訴。

 また、「2億円を横領された」として音楽事務所の取締役を訴えたり、平尾が息を引き取った病院が、医療費が未払いだとして後妻と息子側に支払いを請求したりするなどの“場外乱闘”も相次ぎ、ゴタゴタぶりが浮き彫りになったのだ。

“隠し口座”も……

「この7年は本当にあっと言う間でした」

 そう振り返るのは、前述の亜希矢氏。
 
 現在、彼は退任した後妻に代わり、著作権管理会社の社長に就任している。

「心の準備が出来ていないところに父が突然亡くなった。その後、会社を継ぎ、裁判も始まり、間にコロナ禍も挟まりました。訴訟はまだ一部が続いているため、父にその報告が出来ない不甲斐なさもあって私自身、何度も心が折れそうになる時がありましたが、周りの方々の支えで何とかやってこられたように思います」

 前述の係争のうち、取締役の執行停止の請求は退けられ、名誉棄損裁判は後妻側の訴えが概ね認定、未払いの医療費も双方が支払いを果たすなどして既に終了したものもあるが、新たに、遺産分割協議や、双方間の借入金の取り扱いを巡る訴訟も起こり、そちらは未だ進行中だという。

「そうした裁判の中で、彼女(=後妻)がこれまで明らかにしてこなかった音楽事務所の〝隠し口座〟の存在が明らかになった。また、これまで彼女は著作権管理会社から給与をもらっていないと述べていましたが、裁判で出てきた確定申告の書類から、それが虚偽であることもわかりました。どんどん新たな疑問が生まれてくる。こうした不透明な部分をすべて明らかにしたい。そして、父にきちんと報告したい。これが裁判を続けている動機です」

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