「ブラックペアン2」原作から引き継がれた「設定」となぜか割愛された描写…二宮和也は“優しい悪魔”なのか

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高度な心臓外科技術を確立

 それでは第2話はどうだったか。やはり初回同様“甘い”展開だった。日本でも賭けに勝った患者のみを手術するというスタンスを変えない天城は、洋菓子店を営む繁野(誠直也)の心臓手術を検討するため13歳の繁野の孫・結衣(堀越麗禾)に賭けを持ちかける。条件は看板商品のアップルパイの完成。その賭けの結果が出る前に、天城は日本凱旋記念の公開手術を大会議場で発表してしまう。その患者は繁野だ。

「結衣が賭けに負けたらオペは中止するという注釈はありましたが、結衣が賭けに勝つことを前提としているのは明らか。オペをするための賭け金は、アップルパイの売り上げの一部を永久に支払い続けるというもの。ただ、この“一部”とは非常にあいまいで“子ども”価格かもしれません」(同)

 視聴者からは「子どもには子どもにあった賭けをしてくれる天城先生、やっぱり優しい。ただの悪魔じゃない」「おじいちゃんが手術を受けるための賭けにアップルパイの完成を提案する天城先生。優しい悪魔じゃない?」などと天城の魅力を語る声が相次いでいる。さらには、第1話でも第2話でも、患者側が最後の賭けに挑む描写はなぜかそっくり“割愛”されているのだ。肝心なシーンを見せたくない事情でもあるのだろうか。

 原作は千葉大医学部出身の医師で作家、海堂尊の「ブレイズメス1990」「スリジエセンター1991」。2018年に二宮主演で放送された連続ドラマ「ブラックペアン」の続編という位置付けだ。

 TBS関係者がこう話す。

「ドラマでは豪州ロケが行われましたが、原作では、天城はモナコに集まってくる金持ちを相手に心臓手術をしている金の亡者というキャラクター。カジノでシャンパン片手に大金を賭け、バイクはハーレー、背が高くスラリとした華やかな人物です。患者の全財産の半分をギャンブルに賭けさせ、患者の運を試すという設定はドラマに引き継がれる一方、ドラマでは天城の“優しさ”を押し出そうとしているようです。『賭けにわざと負けている』ように見えるのはそのためかもしれませんね」

 ダイレクト・アナストモーシス(直接吻合法)という世界中で自分にしかできない高度な心臓外科技術を確立し、これまで1人の患者も死なせていない天城。“優しい悪魔”は原作とは一味違った魅力を放てるか――。

デイリー新潮編集部

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