【パリ五輪】「誰も主将を引き受けてくれない」問題のウラにあった“黒歴史” 「旗手ならOK」の納得の理由とは

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 今月26日から始まるパリ五輪に出場する日本選手団の結団式が都内で催された。

 これまでは顔役である主将が決意表明を行っていたが、今回から主将制は廃止され、代わって旗手に任命された二人が登壇した。

主将の“呪い”

「主将は、金メダルが有力視されるスター選手が担ってきましたが、近年は引き受けてくれる選手がいなくなってしまったんです」

 と日本オリンピック委員会(JOC)関係者が明かす。

「プレッシャーが尋常ではありませんし、さまざまなイベントに出演したり他競技の応援をしたりと肉体的負担も大きく、自身のコンディション調整に支障が生じていました」

 そのせいか、歴代主将の戦績は散々で、1992年バルセロナ大会の古賀稔彦を最後に、金メダルを獲得した主将は皆無である。

 1996年アトランタ大会主将のマラソン・谷口浩美は19位。2000年シドニーは野球の杉浦正則だったが、日本はまさかの4位。04年アテネ、08年北京は、ともに柔道で連覇を狙う井上康生、鈴木桂治が不覚を取った。12年ロンドンのやり投げ・村上幸史は予選落ち。16年リオの吉田沙保里に至っては世界大会16連覇と個人戦206連勝が途絶え、「銀メダルでごめんなさい」と号泣した。

 直近の21年東京五輪では、陸上400メートルリレーで主将の山縣亮太がバトンミス。列島がため息をついたのは記憶に新しい。黒歴史もここまでくるとジンクス、いや“呪い”である。

旗手なら金メダルも狙える?

 一方、旗手はどうか。

「主将は開会式に出る義務がありませんが、旗手はもちろん出ないといけない。丸1日拘束されるし、旗を持つのも地味にしんどい。肉体的には主将以上に辛く、こちらもなり手が見つからない。今回も、大物やメジャー競技の選手に軒並み断られてしまいました」

 ただ、戦績は悪くない。シドニーの井上康生、ロンドンの吉田沙保里、東京の須崎優衣(レスリング)は金メダルに輝いている。

「験がいいことを知ってか、今回旗手を務めるフェンシングの江村美咲(25)とブレイキンの半井重幸(22)の二人は、明るい表情で決意を語っていました」

 そんなわけで、失礼ながらマイナー競技の選手が新たな顔役になったのだが、何を隠そうご両人とも世界No.1になったことがある立派なメダル候補なのだ――なぁんて言ったらプレッシャーになっちゃうかな?

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