元日テレ・魚住りえアナ 私が「ボイストレーナー」ではなく「デザイナー」と名乗っている理由
「魚住式スピーチメソッド」を確立
元日本テレビのアナウンサーで、現在はフリーとして活躍する魚住りえさん(52)。2015年に発売した著書『たった1日で声まで良くなる話し方の教科書』は17万部を突破するベストセラーになった。「魚住式スピーチメソッド」を確立し、現在は「アナウンサー」と「スピーチ・ボイスデザイナー」の二足のわらじをはく。(全4回の第1回)
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【写真】当時から「圧倒的な美少女」だった…高校、大学、日テレ時代の魚住りえアナ
今は、テレビ番組やイベントの司会などのアナウンサー業に加えて、スピーチとボイストレーニングの講師をやっています。話し方をデザインする、という意味で「デザイナー」とつけました。「デザイナー」となるきっかけとなったのが、40歳という年齢でした。
仮に80歳ぐらいまで生きるとしたら、40歳はちょうど人生の折り返し地点です。それまでは、日本テレビのアナウンサーとして、フリーになった後は芸能事務所に所属して、テレビに出させて頂きました。すごく楽しい日々でしたが、残りの人生は社会に貢献できるような仕事もしたいと考えるようになりました。
自分が世の中に貢献できることは何なのか。色々と考えに考え、周りに取材したところ、スピーチなど人前で話すことにコンプレックスがあったり、自分の声が嫌いだという人が多くいらっしゃいました。その悩みを解決することはできないかと思い、自分の知識や経験からのスピーチメソッドを作り、「話し方の教科書」という本を書きました。
アナウンスメントや朗読は、16歳だった高校2年生の時から始めました。それまでは、3歳から始めたピアノをやっていたのですが、どんなに練習してもものにならず、ピアニストになることは諦めました。でもやっぱり音楽が大好きで、将来、音声表現に関する仕事に就きたいと考えるようになりました。
それがアナウンサーを目指すようになったきっかけでした。読む、話すことについては、高校時代からずっと関心を持ってきたんです。直ぐに放送部に入って、勉強もせず朗読の猛練習を続け、NHKのコンテストで賞を頂きました。初めて努力が実を結んだ気がして、とても嬉しかったです。
私の本で紹介している「魚住式スピーチメソッド」では、とにかく声を出して読む練習をしていただきます。その結果、不思議なことに人前で上手く喋れるようになるんです。講座の対象は、挨拶やスピーチ、プレゼンなどが苦手な人たちです。
ビジネスパーソンが中心
コロナ禍もあって現在は休講中ですが、スクールに来られていた方は、半分が男性で、半分が女性。ビジネスパーソンを中心にいろんな方がいます。例えば、これから管理職になるので、部下にきちんと思いを伝えられるようになりたい、これから起業したい、婚活で相手と上手にしゃべりたい、転職のための面接でうまく話したい……など、みなさんとても向上心がありました。
このメソッドを使って、プレゼンが得意になった、転職してお給料が上がった、仲間が増えて起業できた、結婚が決まったなどいろんな人がいます。海外赴任になり、何故か英語まで上達した方もいました。堂々と話す癖がついて、外国人の前でもしっかり話せるようになったんですね。
私がなぜ、「ボイストレーナー」ではなく、「デザイナー」と名乗っているのかというと、少しおこがましい言い方なのですが、その方の「人生をより良くデザインしてあげられたら」という思いがあるからなんです。まず声が良くなるだけで、第一声でみんなが振り向いてくれますから。
オンライン化が進んだ今、人と実際に会わなくても過ごすことができるので、声を出さない時間が増えたような気もします。普段、電話すらしない人が、会っていきなり上手に話すことは、なかなか難しいです。では、上手く話すには、まずどうしたらいいのでしょうか。
とりあえず短い時間でいいので、毎日「朗読」をしてみてください。気をつけて頂きたいのが、ただ声を出して文章を読むのではなくて、どうすれば相手に伝わるのか考えながら、抑揚をつけてしっかり読んで欲しいのです。1日1分でもいいので、出来れば毎日続けてください。そうすると不思議なことに、言葉がスラスラ出てきて、人前で臆せず堂々と喋れるようになります。
自宅では、もしOKなら家族の誰かに座ってもらって、朗読を聞いてもらうと良いですね。一人暮らしであれば聴き手がいると仮定して、その人に向かって伝える、語るというイメージで朗読してください。スマホなどについている録音機能を使って、実際に聞き直すのも効果抜群です。上達スピードがグンと上がりますよ。
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