講談社元次長「妻殺し」に懲役11年 「やっていない!」「めちゃくちゃだ!」不規則発言連発で法廷は大荒れ「彼は釈放され漫画編集者に戻るつもりだった」

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 妻を自宅で殺害したとして殺人罪に問われた講談社元次長の朴鐘顕(パク・チョンヒョン)被告(48)の差し戻し控訴審判決公判が7月18日、東京高等裁判所で開かれた。「控訴棄却」が言い渡されると、朴被告は不規則発言を連発。怒った裁判長が「これ以上声を出すと退廷させます」と厳しく警告し、言い渡しを約20秒間中断させる一幕もあった。

 ***

「この国は裁判がないことになってしまいます」

 法廷に現れた朴被告は坊主頭に黒のスーツ姿だった。知人によれば、

「本人は無罪判決が出て、即日釈放されると信じていて私物の片付けまで始めていた。また会社に戻って漫画の仕事を再開するつもりだった」

 だが、言い渡された主文はまたもや懲役11年の有罪だった。

 朴被告はすぐさま声を発した。

「えー! この国は裁判がないことになってしまいます」

 2度こう叫んだ。家令和典裁判長は「静粛にしてください。これ以上発言すると退廷させます」と警告してから判決理由の朗読を始めた。

 朴被告はしばらくメモを取るなど大人しくしていたが、やがて顔を手で覆ったり、椅子の背もたれにもたれかかって天を仰いだり、落ち着かない様子を見せ始めた。

 10分ほどすると、我慢できなくなったのか裁判長が読み上げたくだりに反論し始めた。

朴被告「いや、(法廷で証言した法医学者の)先生は!」
裁判長「静粛にしてください」
朴被告「僕はしていないんです」
裁判長「静粛にしてください! あなたがいる状況で判決を言い渡したいのです」
朴被告「僕はやっていないんです、本当にやっていないんです」
裁判長「……」

 ここで裁判長は言い渡しを中断。朴被告をじっと見つめた。緊迫した静寂は20秒近く続いた。

「では再開します」(裁判長)。だが、朴被告は5分も我慢できずに声を上げ始めた。

「めちゃくちゃだー!」
「娘も(事件現場で音を)聞いています!」
「(妻を)助けようとしました! 助けようとしました!」
「間違っています! していません!」

 約30分の言い渡しの間、不規則発言は10回近くに及んだ。閉廷すると、朴被告は職員に手錠をつけられる間、傍聴席にいる家族に向かって励ますようにこう言った。

「この間違いは必ず訂正させる。大丈夫!」

 退廷する直前、もう一度傍聴席を振り向き「大丈夫!」と言ってから姿を消した。

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