「100億円以上の絵画」「資産は80億円」でも食事は吉野家、衣服は3000円…純金融資産5億円以上「超富裕層」の意外な暮らしぶりとは

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 日本には純金融資産を5億円以上保有する「超富裕層」が9万世帯存在しているという。桁違いの資産を持つ「超富裕層」はどんな生活を送っているのか。知られざる実態を明らかにする。(以下は「週刊新潮」2024年7月18日号掲載の内容です)

日本円で約108億円の絵画が

 昨年11月に開業した「麻布台ヒルズ森JPタワー」は高さ325メートル、地上64階建てで日本一の高さを誇る。

 この雲上の世界に住まうのは、いわゆる「超富裕層」の人たちだ。

 とりわけ代表格が、購入価格で300億円は下らないといわれる、最上階のペントハウスの一室を保有する「有限会社スタート・トゥデイ(現・株式会社ZOZO)」創業者の前澤友作氏(48)であろう。

 前澤氏はつい先日、そのペントハウスの一部をユーチューブで公開した。氏自身の説明によると、眼下に首都・東京を見下ろすリビングは約170平米。フランスのデザイナー、ジャン・ロワイエのソファセット(購入価格約5億円)をはじめ、室内には高価な家具が点在。さらに、あのパブロ・ピカソが1932年に描いた傑作抽象絵画(落札価格6750万ドル、現在の日本円で約108億円)や複数の現代アート作品が飾られており、さながら美術館のような趣きである。

 野村総合研究所はそんな前澤氏ら「超富裕層」について、金融資産から負債を差し引いた純金融資産を5億円以上保有する世帯と定義する。同研究所は2021年時点で、超富裕層は9万世帯と試算。また、富裕層(1億円以上保有)は139万世帯であり、超富裕層と富裕層を合わせた148万世帯が、総額364兆円(超富裕層105兆円、富裕層259兆円)を保有するという。全世帯の2.74%が、全体の2割の純金融資産を占める計算だ。

300万円を元手に資産80億円

 実際の超富裕層はどんな生活を送っているのか。

「24年2月の時点で主に株式売買による総利益が100億円を突破しました。2月時点での資産は推定で約70億~80億円ほどです」

 こう明かすのは著名投資家のテスタ氏である。両親が公務員の氏は、高校卒業後、フリーターの期間を経て投資家として成功した異色の経歴の持ち主だ。

「20代の頃に本屋の棚に並んでいたデイトレードの本が目に留まった。それを読んだのがきっかけで、300万円を元手に投資を始めました」

 氏は投資用に1億円で購入したマンションも都内に所有しているが、そちらには入居せず、現在は東京・港区の高級賃貸マンションに一人で暮らしている。7部屋、400平米という豪壮さ。無論、その家賃は月額で400万円と高額だ。所有車は2台で、

「1台はミニ・クーパーで、価格は400万~500万円。もう1台はベントレー・フライングスパーで、価格は4000万円弱でした」

 その日々は基本的にストイックであり、朝は8時20分に起床。洗顔後、朝食は取らずに8時40分までにはPCの前に座るという。取引用のソフトを立ち上げるなど準備を整えて、市場が開く9時から11時半まで前場での取引に没頭。11時半から12時半までは昼休みだが、

「取引中は集中していて、空腹にならないので、何も昼は食べません。お腹がすいたら、ゆで卵を1個だけ食べます」

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