「サンジャポ」で初共演…話題の「石丸伸二氏」をデーブ・スぺクター氏はどうみたか

エンタメ

  • ブックマーク

政治の専門家ではない出演者

 デーブ氏は「問題が多かったのは、石丸さんのほうではなく、やはり開票特番のほうでしょう」と言う。

「確かに石丸さんは大人げない態度でした。嫌な質問でも“神対応”すべきだったかもしれません。しかし、質問者の人選に問題があったのは事実だと思います」(同・デーブ氏)

 石丸氏に批判が殺到した理由としては、社会学者の古市憲寿氏、元乃木坂46の山崎怜奈氏、ライターの武田砂鉄氏の質問に対し、極めて不遜な態度で応じたことが挙げられる。

 ちなみに今回の選挙特番は、地上波以外でも放送されたことが一部の注目を集めた。例えば古市氏の出演した選挙特番はネットで配信され、山崎氏は地上波、武田氏はラジオでの放送──という具合だ。

 デーブ氏は「もし田崎史郎さんや伊藤惇夫さんのような政治の専門家がゲストに招かれ、石丸さんに質問したとしたら、もっと普通のインタビューになったのではないでしょうか」と指摘する。

「お二人とも政治家から話を聞くためにはどんな機微が必要か、よくご存知のはずです。古市さんや山崎さんを起用するテレビ局の狙いは分かります。近年、視聴率の調査では40代以下の視聴者層が何よりも優先されるようになりました。そのため年齢層の若い視聴者を意識するキャスティングが常態化しています。しかし開票特番はれっきとした報道番組です。普段の番組なら古市さんと山崎さんはいつも面白いですが、お二人は政治の専門家ではありません。アメリカのCNNや三大ネットワークが開票特番を放送する際、政治の専門家ではない人が出演することは皆無と言っていいと思います。ま、古市さんと仲良しなんで、この記事を読まないで欲しいけど!(笑)」(同・デーブ氏)

不充分な公開討論会

 テレビ局から仕事を依頼されれば、誰だって「ギャラをもらう以上、しっかり頑張ろう」と一生懸命になってしまう。だが、それが逆効果になることもある。専門外のことで懸命に質問を重ねても、「素人の質問と変わらない」と一蹴する視聴者は少なくない。石丸氏に批判が殺到しただけでなく、「なぜ元乃木坂46の女性が開票特番に出演しているのか?」という疑問の声もSNSでは非常に目立った。

「今の民放キー局は予算も潤沢ではありません。ならば開票特番の出演者は局アナと政治部と都政担当の記者、この3人でよかったのではないでしょうか。むろん、余裕があれば外部の専門家を1人呼んでもいいですね。いずれにせよ、素人は1人もいませんから、石丸さんも冷静に対応したはずです。どうしても芸能人を出演させたいのなら、地上波の深夜枠、もしくはYouTubeの公式チャンネルで、石丸さん抜きの“第二部”として流すという手があったはずです。総選挙(国政)の場合は今もテレビは選挙報道の際、こうした二部構成をやってる局もあります。そういうパートならどんどん若者やタレントやNGO代表でも盛り上げてくれて大歓迎。率直に言って最近のテレビ局は劣化していることが、今回の“石丸騒動”で明らかになったと思います」(同・デーブ氏)

 今回の都知事選では立候補者による“舌戦”が少なかったことも話題になった。6月19日に日本記者クラブ主催の共同記者会見、24日に東京青年会議所による公開討論会が開かれたものの、盛りあがりには欠いた印象だった。デーブ氏も「おとなしすぎて、どこかの商店街の理事会に見えました」と言う。

次ページ:テレビ局から引っ張りだこ!?

前へ 1 2 3 次へ

[2/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。