「麻生が石破を許す」タイミング到来を警戒する岸田官邸の不徳

国内 政治

  • ブックマーク

関係修復はあるか

 そこで持ち上がってきたのが、犬猿の仲とされる石破氏との関係修復だ。

「可能性は限りなくゼロに近いと見られていますが、麻生氏が乗れる手持ちの候補が総裁選に勝てないとなると、それ以外の候補を探さざるを得ないのではとの指摘があります。キングメーカーとしての戦いに敗れて非主流派になるよりは、石破氏と関係を修復して総裁選に臨む道を選ぶのではないかとの見方があるわけです。その場合にはもう1人のキングメーカーである菅義偉前首相と共に石破氏を推薦する可能性が高くなるわけですが」(同)

 そういった麻生氏の動きを最も警戒しているのが岸田首相なのだという。

「麻生氏が自分以外の候補を推してしまえば再選の道が事実上、閉ざされますから首相も麻生氏の引き留めに必死のようです。その支持を固められれば、有隣会(旧谷垣グループ)、茂木派、安倍派の一部、来年に改選を迎えない参院議員と支持を拡大できるかもしれず、総裁選での勝機が見えてくるというわけです」(同)

 皮肉なのは、結局、岸田首相自身が解散したはずの派閥単位で物事が進んでいる現実だろう。世論がおきざりにされていると言われても仕方ないのかもしれない。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。