【全英オープン開幕】「まだまだ勝てる」ウッズは“引退勧告”を一蹴、シェフラーは久しぶりの実戦 気まぐれリンクスコースを制するのは誰か

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3つ目のメジャー・タイトルなるか

 今季最後のメジャー大会、全英オープンは7月18日~21日の4日間、スコットランドのロイヤル・トゥルーンで開催される。

 この地が全英オープンの舞台となるのは、今回が10回目。近年では2004年大会で日本ツアー出身の米国人選手、トッド・ハミルトンが勝利を挙げて世界を驚かせた。2016年大会では、スウェーデン出身のヘンリック・ステンソンが米国の国民的スター選手だったフィル・ミケルソンとの死闘を制し、3打差で勝利した。

 8年ぶりにトゥルーンに戻った今年の大会で、優勝候補の筆頭に挙げられているのは世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーだ。今年4月のマスターズを制し、同大会2度目の優勝を飾ったシェフラーが、トゥルーンでも勝利を挙げ、今季2つ目、自身3つ目のメジャー・タイトルを手に入れることができるかどうかに注目が集まっている。

 シェフラーは3月のアーノルド・パーマー招待を皮切りに次々に勝利を挙げ、6月のトラベラーズ選手権で今季6勝目を達成したのだが、5月に生まれたばかりの長男ベネット、愛妻メレディスと過ごす時間を持ちたい一心で、その後は長期のオフを取った。

 そのため、全英オープンはトラベラーズ選手権以来、3週間ぶりの試合出場となる。シェフラーは久しぶりの実戦ということ以外に、こんな不安も口にしている。

「ジュニア時代、僕はスコットランド遠征に出してもらえるほどの成績ではなかったので、リンクスコースでのゴルフを経験したことがなかった。だから、いまだにリンクスは学ぶことだらけだ」

 しかし、そんな謙虚な姿勢が功を奏す可能性はもちろんある。いや、世界ナンバー1の実力者は、不利を有利に変える術を持ち合わせているのではないだろうか。

全英OPはアウェイのデシャンボー

 シェフラーに次ぐ注目を集めているのは、優勝候補で4番手に上がっている30歳の米国人選手、ブライソン・デシャンボーだ。

 デシャンボーは6月の全米オープンで堂々大会2度目の優勝を挙げたばかりで、この全英オープンを制すれば、自身3つ目のメジャー・タイトルを手に入れることになる。全米オープンの舞台パインハーストでは、試合中でもギャラリーとサインや握手を交わすなど、ナイスガイぶりを披露して人々の心をつかみ、「みんなの応援のおかげで勝つことができた」と涙を見せた。

 しかし、全英オープンではアウェイであるデシャンボーが、全米オープンの際と同じように大歓迎されるかどうかは、蓋を開けてみなければわからない。ギャラリーからの応援のみならず、肝心の彼のゴルフも「蓋を開けてみるまではわからない」とデシャンボー自身が警戒している。

「全米オープンと全英オープンは、異なるテスト、異なるチャレンジだ」

 その異なる2大会を同一年に続けざまに制した選手は、2000年のタイガー・ウッズ以降は1人もおらず、デシャンボーは「それはきわめて難しいことだ」と言いながらも、ウッズに続く2人目となることを虎視眈々と狙っている。

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