夏ドラマ12本「視聴率調査」 注目の「ブラックペアン2」「海のはじまり」 伸び悩む「櫻井翔」の意欲作

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「西園寺さんは家事をしない」は台風の目

 日本テレビ「GO HOME」の舞台は警視庁身元不明人相談室。小芝風花(27)が演じる主人公・三田桜と月本真(大島優子)たちが、名前の分からない遺体の身元を突き止め、死の真相も解き明かす。

 第1回では東京・奥多摩の山中で死んだプロバスケット選手の白骨遺体が見つかるが、妻は夫だと認めない。夫はケガで試合を離れており、それを苦にして自死したと見られたが、妻はそう思いたくなかった。結局、桜たちが自死ではなく、事故死であることを突き止める。

 殺人事件は起こらず、だから犯人捜しもない。これまでとは違った新しいタイプの刑事ドラマ。若い世代が刑事ドラマを苦手とし、あまり観ないからだろう。だが、やっぱりコアとF1層、T層は低い。若い世代には「刑事ドラマはパターン化されている」という固定概念があるようだ。

「マウンテンドクター」の主人公は若き山岳医・宮本歩(杉野遥亮)。アウトサイダー的なベテラン山岳医・江森岳人(大森南朋)の下で成長していく。もちろん山に関係する患者たちも救う。治療を見せるより、患者の人生模様に重きを置いている。長野県白馬村などの風景も楽しめる。

「科捜研の女」は放送開始から25年。主人公は言わずと知れた榊マリコ。沢口靖子(59)が演じている。ここまで長く続いたのは制作を担当する東映が一線級の監督を投じ、脚本執筆陣の育成にも余念がなかったからだろう。

 もちろん、沢口の存在なくして成功はなかった。常識人のように見えて実際には不思議ちゃんのマリコは沢口以外ではハマらない。ただし、典型的な刑事ドラマなので若い世代には敬遠されている。

6:TBS「西園寺さんは家事をしない」(火曜午後10時、9日放送の第1回)個人4.0/コアは2.6%で3位/F1層3.2%/T層2.2%

7:フジテレビ「新宿野戦病院」(水曜午後10時、10日放送の第2回)個人3.8%/コアは1.7%で7位/F1層2.1%/T層1.2%

8:日本テレビ「マル秘の密子さん」(土曜午後10時、13日放送の第1回)個人3.6%/コアは1.7%で7位/F1層1.3%/T層1.4%

9:フジテレビ「ギークス~警察署の変人たち~」(木曜午後10時、11日放送の第2回)個人3.0%/コアは1.4%の10位/F1層1.1%/T層1.8%

「西園寺さんは家事をしない」の主演は松本若菜(40)。デビューから17年で、プライム帯の連ドラ初主演となる。

 主人公はアプリ制作会社で働く38歳の西園寺一妃。働くことは大好きだが、家事は大嫌い。結婚にも興味がないものの、それでいて一戸建てを35年ローンで買った。そこに同僚で年下のシングルファーザー・楠見俊直(松村北斗)とその娘が住むことになる。一妃の人生が変わり始める。

 この放送枠は20代の登場人物によるラブコメディが目立つが、今回は「私の家政夫ナギサさん」に通底する大人のオフィス・ラブコメ。家事と年の差が関係してくるところも同じだ。

 若い世代の視聴率が高い。F1層の数字は「ブラックペアン シーズン2」に次いで2位。一妃を家事嫌いにした理由などがやがて明かされそうだから、数字はますます伸びそう。

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