「ドイツとイスラエルのどちらにも完全には属せない」ユダヤ人の緊張と諦念 古市憲寿が3度目の“ベルリン・ユダヤ博物館”で感じた「二者択一を迫る世界」の恐ろしさ

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 同じ場所を訪れても自分や時代が変われば、違う発見がある。久しぶりにドイツのベルリン・ユダヤ博物館に行ってきた。

 1度目は戦争博物館について調べている時だったから、どのようにホロコーストが扱われているのかが興味の中心だった。アウシュビッツと違って、虐殺の直接的な写真や説明が少なく、展示のスタイリッシュさが印象に残った。

 2度目は現代芸術家の友人と一緒に行ったので、顔の形をした鉄板の敷き詰められたインスタレーション「記憶のヴォイド」や、高さ24mのホロコーストタワーなど芸術や建築についてよく覚えている。...

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