スタイリッシュ過ぎて「科捜研の女」は大苦戦…それでもそう簡単にやめられないテレ朝の特殊事情

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テレ朝の東映ドラマ

「高齢者層を中心に視聴者が離れた結果が今シーズンの数字に表れていると思います」

 26年目ともなれば、もう十分かもしれない。

「だからといって『科捜研の女』には、そう簡単にはやめられない特別な事情があります。テレ朝は今年、開局65周年を迎えましたが、1959年の開局時は、東映、日本短波放送、旺文社の3社が中心となって設立された『日本教育テレビ』でした。77年に『テレビ朝日』となり、現在は朝日新聞社が筆頭株主ですが、東映も大株主です。『科捜研の女』はその東映の制作であり、しかも東映京都撮影所で撮っているドラマなのです」

 東映京都撮影所といえば、太秦映画村を併設した時代劇を得意とする撮影所だ 。

「『科捜研の女』がスタートした頃は、まだテレビ時代劇も多くありました。その昔は松方弘樹や高橋英樹、勝新太郎らが京都に家を建て、京都撮影所で仕事をして祇園で遊んでいました。しかし、時代劇は衰退し、いまや京都撮影所で撮影する連ドラは『科捜研の女』くらいです。たまに来る単発ドラマや映画だけでは京都撮影所だって成り立ちません。今期の放送でもクレジットには、結髪(けっぱつ=ヘアメイク)や擬斗(ぎと=殺陣)のスタッフがクレジットされていました。正直言って、みんな科捜研の“マリコ様”頼みというわけです。テレ朝にとっても大株主の経営問題になりかねませんから、簡単にやめましょうとは言えないと思いますね」

 どうすればいいのだろう。

「視聴率について言えば、かつての人情ものにしたとしても、高齢者層が戻ってくるかどうかは何とも言えませんね。せっかく京都で撮っているのですから、スタジオの科学ラボのセットでばかりで撮影せず、もっと京都を感じさせる景色を出してもいいと思います。テレ朝・東映ドラマには『おみやさん』や『京都迷宮案内』といった京都を歩き回る作品がありました。『科捜研の女』も京都の街並みを前面に出せば、高齢者層も帰ってくるかもしれない。また、京都は外国人にも大人気ですから、海外への番組販売もできるかもしれません。そうなれば、少しばかり数字が落ちても我慢できるかもしれません」

デイリー新潮編集部

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