枝野幸男氏の立民代表選出馬報道に「膝カックンされたような衝撃」…政治アナリストはあまりに旧態依然とした手法にも唖然
立憲民主党の前代表・枝野幸男氏(60)は2011年、内閣官房長官として東日本大震災に対処した。不眠不休の勤務実態からネット上では「枝野、寝ろ」が流行語となった。あれから13年が経過し、今のXには「枝野、永遠に寝ろ」とポストされている。すっかり“老害”扱いなのだ。
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その枝野氏が立民の代表選に出馬するとの報道が相次いでいる。現代表は泉健太氏(49)だが、任期満了に伴って9月に代表選が行われる予定だ。枝野氏は報道を否定しているため、少し丁寧に経緯を振り返ろう。
まず“泉退陣”の口火を切ったのは小沢一郎氏(82)だった。7月9日、記者団に「野党の共闘態勢を構築できる体制に変えなければ駄目だ。泉氏なら沈没だ」と批判。ちなみに産経新聞によると、「沈没じゃねえかよ」が正確な発言だったという(註)。
そして11日の午前5時、朝日新聞DIGITALが「枝野幸男前代表、立憲民主党代表選に立候補の意向 関係者に伝える」との記事を配信した。この報道に枝野氏はXに《記事のようなことはありません》と否定した。
だが同じ11日の午後5時21分、今度は時事通信が「立民・枝野氏、代表選出馬へ 赤松前副議長に意向伝達」との記事を配信した。これにも枝野氏はXで《朝に申し上げたとおりです。その「関係者」って誰?》と否定した。
とはいえ、朝日の報道を枝野氏が否定しても、時事は同じ内容の記事を配信したわけだ。よほど報道内容に自信があると見るのが自然だろう。
間違いだらけの立民の敗因分析
政治アナリストの伊藤惇夫氏は「枝野さんが代表選に出馬するとの報道を目にした時、子供のいたずらである“膝カックン”をされたような感覚に襲われました」と言う。
「記事の《党内最大グループ「サンクチュアリ」の赤松広隆・元衆院副議長らと会談し、立候補の考えを伝えた》との記述も目を引きました。『サンクチュアリ』は旧社会党の左派グループに源泉を持つ、立憲民主党の最大勢力です。以前から私は立民の再建には“旧社会党色”の払拭が不可欠であり、党の方針は中道のやや右寄りに改めるべきだと提言し続けてきました。しかし報道が事実だとすると、枝野さんは『サンクチュアリ』に仁義を切ったわけです。本当ならあまりにも旧態依然としており、呆れるのを通り越して脱力感に襲われ、“膝カックン”の感覚に襲われたというわけです」
立民は東京都知事選で蓮舫氏(56)を全面支援したが、結果は3位と大惨敗に終わった。立民内部では敗因を「共産党と一体化したと有権者に判断され、票が逃げた」と分析していると多くのメディアが報じた。だが伊藤氏は「その分析は間違っています」と指摘する。
「共産党がはしゃぎすぎ、眉をひそめた有権者がいたのは事実でしょう。しかし蓮舫さんは自分が出馬すれば勝てると判断した、その甘さが最大の敗因です。過去の参院選における東京選挙区の得票数を見れば明らかでしょう。2010年で蓮舫さんは約171万票を取りましたが、16年は約112万票に落ち、22年は約67万票と半減以下になってしまいました。22年の時点で都民の有権者は相当数が蓮舫さんから離反していたのです」(同・伊藤氏)
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