【疑惑の斎藤知事】会見で新たな“おねだり”が発覚 記者の追求に苦し過ぎる言い訳「壊れたテープレコーダー」に反省の色なし

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 7月16日、パワハラなどの内部告発を受け百条委員会(地方自治法100条に基づく調査特別委員会)が開かれている斎藤元彦・兵庫県知事(46)の定例会見が行われた。そしてこの日も、記者が何を訊いても斎藤知事はのれんに腕押し、同じ答えの繰り返しが続いた。ところが、会見開始から1時間を回った頃、その顔色が変わった瞬間があった――。

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 デイリー新潮は13日配信の「斎藤兵庫県知事 県政史上最低の会見、副知事辞任で四面楚歌に…『告発した元局長が亡くなってもパワハラを証言する人はいる』」で、県職員労働組合から辞職を求める申し入れ書が提出されるも本人はその意向を示さず、一方で側近の片山安孝・副知事(64)が辞職を表明、斎藤知事が四面楚歌の状態にあることを報じた。

 14日には、自民党兵庫県連会長の末松信介・参議院議員(68)が神戸市内で開かれた県連大会で「県庁職員のモチベーションがこれ以上、後退することは許されず、その先にある県民へのサービス提供が滞ることがあってはならない。知事には大きな正しい決断をしていただきたいと強く願っている」と発言し、斎藤知事に事実上の辞職を迫った。

 3年前、県知事選に立候補した斎藤氏を推薦したのは日本維新の会と自民党だった。そのうちの一方が、公然と辞職を迫っているのだ。

 さらに、知事のパワハラや視察先で贈答品をほしがる“おねだり”体質などを内部告発した元県民局長が自ら命を絶つ直前に「死をもって抗議する」というメッセージと百条委員会に向けた陳述書や疑惑にまつわる音声データを残していたことが判明した。

 それらを受けての定例会見だったのだが、知事はまさに“壊れたテープレコーダ”の如く同じ言い分を繰り返した。曰く「選挙で県民から85万票の付託を受けた。一歩一歩、県政を進めることが私の責任」。

新たなおねだり疑惑

 記者から「3年前の付託は今、ズレが生じているのでは?」と指摘されても「今は私が一つ一つ仕事を進めていくしかない」と馬の耳に念仏。「付託は県民が判断することでは?」との問いにも「施策を通じて評価していただくだけです」と答えるのみ。全国紙やテレビ局の記者が様々な角度から追求しても同じだった。とにかく、兵庫県知事のイスを手放す気は全くないようだ。

 ところが、会見開始から1時間が過ぎた頃、ある質問に知事の表情は明らかに変わった。丹波市を中心に週2回発行されている丹波新聞の記者が手を上げた。

記者:22年9月6日に第3回ワーケーション知事室で丹波市の廃校活用施設を訪れて、知事は女性企業家ネットワークや丹波木材活用の可能性などをテーマに関係者と車座で対話をされました。その際、会場にあった家具、その施設用に作られた木製のサイドテーブルとイスを「これいいですね。是非、知事室で使いたい」と知事自身がおねだりされたという証言を、私は複数から聞いております。持ち帰られた事実はありますでしょうか?

――ワーケーション知事室とは、兵庫県知事が県内各地に滞在し、地域と交流しながら働くことと県のホームページで説明されている。これまでと違う新たな疑惑を問われ、戸惑う知事。

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