なぜか詐欺事件を名目に、ある日突然、公安部の刑事がやって来た…同業他社の社長が語る「大川原化工機冤罪事件」
大川原化工機(神奈川県横浜市)の社長ら3人が外為法(外国為替及び外国貿易法)違反の容疑で警視庁公安部に逮捕されたのは2020年3月のこと。「生物兵器の製造に転用可能な装置を中国へ不正輸出した」という違反内容だったが、後に起訴が取り消された。現在、大川原化工機が国と都を相手取った賠償請求審が続いている。
この「生物兵器の製造に転用可能な装置」とは噴霧乾燥機(スプレードライヤ)を指すが、具体的にはどのようなものか。同種の機械を製造 し19年に公安部の訪問を受けたという「パウダリングジャパン」(埼玉県川口市)の高橋健太社長は「『生物兵器に転用される恐れのある噴霧乾燥機』と報じるのはそもそもおかしい」と話す。...