「石丸ショックよりも都議補選の結果の方が」 「正直、何もないよなぁ~」と岸田官邸から聞こえる「諦めに近い声」

国内 政治

  • ブックマーク

食い合った2位と3位

 7月7日に投開票が行われた東京都知事選と東京都議補選について岸田文雄首相はどのように総括しているのか。官邸からは「安心」と「ショック」という両極端の反応、そして諦めの声が聞こえてきた――。

「都知事選については、蓮舫氏と石丸伸二氏とが互いに票を食い合って激しく競り合っている中で小池百合子氏の3選は堅いだろうと見られていました。2位と3位が星の潰し合いをしている間に首位が独走したというようなイメージでしょうか。小池氏を支援していた自民党や岸田官邸も安心して推移を見守ることができたようですね」

 と、政治部デスク。石丸氏が2位に食い込んだり、そのキャラクターに注目が集まったりしていることについてはどうなのか。

「石丸氏は賛同するシンパから3億円弱を集めたと動画サイトで明かし、今後の新党結成の可能性も否定していません。そういった動きが継続し、石丸人気が全国に波及することもありえるでしょう。が、当面、そこまでの脅威になると官邸は捉えていないようでした」(同)

都議補選に大ショック

 石丸氏を支持したのは“最大勢力”と言える無党派層がメインとされる。かりに全国規模で無党派層を取り込むことができれば脅威となりうるはず。が、実際の無党派層の投票行動は、従来通り、かなり移ろいやすいという見立てということか。

「そうでしょうね。石丸氏がこのまま政治活動を続けられるか、それを支持者がサポートし続けられるか、そしてそれが既成政党を揺るがす大きなムーブメントになって行くかというと、今のところそこまでではないという受け止め方のようです。むしろ官邸が関心を示していたのは都議補選の結果です。大いに失望しているとのことです」(同)

 都知事選と当日に投開票が行われた都議補選で、自民党は2勝6敗と惨敗した。

「首相の政権運営への異議申し立てが都知事選ではなく、こちらの方に現れたと見るのが普通でしょう。都議選と同じ年に国政選挙が行われた場合には結果が連動する可能性が割とあります。2009年には都議会で民主党が初めて第1党になり、その後の衆院選で民主党が大勝し、民主党政権が生まれました。当然それを意識している岸田首相は都議補選の結果にショックを受けていたと聞きました」(同)

次ページ:裏金、派閥解消、減税

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。