「王道アイドルの道」が空いていた…FRUITS ZIPPER、3年目の飛躍 女性P「ど真ん中の“かわいい”で勝負しよう」

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「声の質がバラバラだった」

「お披露目ライブまでにかけた時間、メンバーとスタッフと一緒に作り上げたものに自信がありましたし、ファンのみなさんにお披露目した際、思った以上に反響がありました。可能性を感じていただいたことは、特典会でメンバーがファンの皆さんからいただいた言葉やSNSを見ていても実感できました。そこは自信につながりましたね」

 プロデューサー目線で彼女たちの魅力をこう語る。

「声の質がバラバラだったのがよかったと感じています。例えば、SMAPさんは声で誰が歌っているか分かるじゃないですか。FRUITS ZIPPERも、それになり得るくらい声質がバラバラなので、そこはプロデュースする上でありがたいと思いました」

 デビューまでの道のりでは、アイドルとして当たり前にやらなければならないことに重点を置き、レッスンを積み重ねてきた。

「ボイストレーニング、ダンスレッスンはもちろん、SNS講座も開いて、売れた時に『ちゃんとできているグループだね!』と言われるための土台作りは時間をかけました。忙しくなってからは、おろそかになってしまう部分もあると思うのですが、デビュー前にできていたからこそ、忙しい状況になっても地盤が揺るがない。今もメンバーはSNSがルーティン化できていると感じています」

 冒頭で紹介した通り、FRUITS ZIPPER人気に火をつけた『わたしの一番かわいいところ』は、TikTokの総再生回数15億回を突破。木村さんには同楽曲をバズらせるための秘策があった。

「セリフから始まりたいという事と『かわいい』という言葉をたくさん詰め込んだら、楽曲としてSNSで投稿する際に使いやすいのではないかと考えました。投稿してくれる人の気持ちになった時、投稿したくなる歌詞でもありますし、振り付けも真似がしやすく、自分のかわいさを見せやすいように作られています。推し活ブームもあるので、ファンの方が自分の推しのことを投稿する時にも楽曲を使えて、さまざまな拡散できる要素を作りました」

 その秘策がズバリとはまり、男性ファンのみならず、多くの女性ファンも獲得。KAWAII LAB.の後輩グループはもちろん、他事務所にもFRUITS ZIPPERを推すアイドルが多数おり、東名阪ソロコンサートツアーを開催するほど人気の櫻井優衣は“アイドルが憧れるアイドル”と言える存在となった。

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