遭難に至る道は、すぐそこに潜んでいる――身近な低山でも起きている山岳遭難のリアル

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 山での遭難事故というと標高の高い山を思い浮かべがちだが、実は「低い山」で遭難するケースも相次いでいる。

「山に出かけた家族が、帰ってこない――」

 民間の山岳遭難捜索チームLiSS(リス)のメンバーと代表の中村富士美氏は、思いも寄らない事態に戸惑う家族から依頼を受け、山へ捜索に向かう。中村氏は、独自の視点で捜索活動を行うのみならず、その家族のサポートも担っている。

 登山経験がほとんどない看護師だった中村さんが、どうして山に導かれ、いくつもの遭難現場に立ち会うことになったのか、そのたきっかけを著書『「おかえり」と言える、その日まで 山岳遭難捜索の現場から』をもとにみてみよう(引用はすべて同書より)。...

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