難関私大が1000人に「授業料50%オフ(返還不要)」の衝撃 「国公立並みの学費」を実現させたカラクリ

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早慶レベルの受験生を囲い込みか

 大学経営に詳しい大手予備校幹部がこう指摘する。

「こうした入学前の奨学金申請はライバルの立教大学でも実施されています。奨学生として正式に採用されると、年額50万円(理学部は70万円)が毎年の審査により継続受給できます。募集枠は約500人とこちらも少なくはありませんが、明治の奨学金制度拡充は目を見張るものがあります。ライバルの立教、青山学院との競争の中、学費を『国公立並み』に抑えるという言葉で、早慶レベルの受験生の早期囲い込みを狙っているのでしょう」

 それにしてもそんな大判振る舞いをして経営的に問題はないのか。

「明治大学の場合、共通テスト利用の検定料は1万8000円です。この方式の志願者が、24年度は約2万9000人いました。立教、青山学院の約2万2000人、早稲田の約1万6000人に比べてもかなり多い数字です。共通テスト利用なら教室、入試監督、採点などにかかるコストを大幅に抑えることができるので、私立大学は共通テスト利用に積極的な姿勢を見せています。大学の独自色を損なう没個性的な入試スタイルとの批判はあっても、その分を奨学金の拡充や校舎の改築などに充てられるというのなら、背に腹はかえられない選択でしょう」(前出の大手予備校幹部)

 明治大学は奨学金利用で学費を“国公立並み”にするというが、その国公立大学でも学費値上げラッシュが予想されている。国公立がいつの間にか“私立大学並み”の学費にならないことを祈りたいが、さて。

デイリー新潮編集部

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