プロ野球、審判の“勘違い”で監督が激怒!「ウチの看板選手の名前を間違えやがって」と揉めたケースも

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なぜか認められなかった投手交代

 今回の巨人対広島と同様、投手交代をめぐる勘違いが問題になったのが、2013年9月15日の中日対DeNAである。

 7対3とリードしたDeNAは4回、先発・須田幸太が谷繁元信のタイムリーで1点を失うと、代打・堂上剛裕に1球投げたあとで、小林太志に交代した。友利結投手コーチがマウンドに行ったのも、代打が告げられる前で、問題はないはずだった。

 だが、責任審判の東利夫三塁塁審は、なぜか認めようとせず、すでにベンチに下がった須田の続投を指示した。

 最終的に交代は認められたものの、このドタバタ劇の影響で、小林は堂上に死球を与えたあと、大島洋平に2点タイムリー二塁打を浴びて、あっさりKO。この回計5点を失ったDeNAは7対8で敗れ、3位・広島と6ゲーム差の5位に。わずかながら残っていたCS進出の可能性を事実上断たれてしまった。

 中畑清監督は「こっちがミスをしたような言い方をされた。言い訳になるけど、言い訳したくなるよ。審判のルール上のミスはあり得ない」と怒り心頭。友利コーチも「一番可哀想なのは太志。もう1回気持ちを入れるのは難しい。東さんにかき回されました」と憤懣やるかたない表情だった。

 一方、東審判は「代打の初めなら代えられるけど、1球投じているので、代えられるのかなと、勘違いでした」と誤りを認めたが、遅きに失した感がある。

 人間誰しも間違いはあるが、審判というミスの許されない立場の難しさを改めて痛感させられる。

久保田龍雄(くぼた・たつお)
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

デイリー新潮編集部

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