プロ野球、審判の“勘違い”で監督が激怒!「ウチの看板選手の名前を間違えやがって」と揉めたケースも
6月30日の巨人対広島で、ルール上投手を交代できないと審判が勘違いしたことにより、試合が2度中断するハプニングが起きた。巨人・阿部慎之助監督も「審判の方も人間ですから。たまには間違いもありますよ」とフォローするように、過去にも人間ならではの勘違いを原因とする珍事が起きている。【久保田龍雄/ライター】
***
【写真で振り返る】あなたは何人わかる? プロ野球監督別リーグ優勝回数ランキングベスト10(1990年~2022年)
選手の名前を間違えられ、監督が猛抗議
乱闘直後の場内放送で、責任審判がうっかり言い間違いをしてしまったのが、1996年6月29日のヤクルト対阪神である。
8回、頭部付近への危険球に激高した古田敦也が、捕手・山田勝彦と乱闘騒ぎを起こし、喧嘩両成敗でともに退場になった。直後、責任審判の田中俊幸三塁塁審がマイクを持って、事情を説明したが、うっかり「ヤクルトアトムズの古田選手」と言ってしまった。慌てて訂正したが、四半世紀も前の愛称を知らず、キョトンとしたファンも少なくなかったはずだ。
翌97年9月5日の日本ハム対近鉄でも、同様の言い間違いが物議を醸した。
6回、西川慎一の胸元をかすめるボールに怒った日本ハムの主砲・ウィルソンがマウンドに突進して退場処分になったが、その際に新屋晃球審が「ウィリアムは退場とします」と場内放送してしまった。
これには上田利治監督も「(なぜ暴力を振るっていないのに退場にしたか)何の説明もない。ウチの看板選手の名前も間違えやがって」と憤慨。試合後も腹の虫が収まらず、審判控室に足を運んで執拗に抗議を続けた。
さらに2000年8月26日の西武対近鉄でも、1回無死一、二塁、近鉄・中村紀洋の左飛が直接捕球と判定され、三重殺が成立した直後、梨田昌孝監督が「ワンバウンドではないか」と激しく抗議。
その際に藤本典征三塁塁審が「センターの清水選手が」と試合に出場していない選手の名を場内放送したことから、スタンドのファンから「どこ見てんねん!」のヤジが飛んだ。
3例のいずれも、乱闘や判定トラブル直後の言い間違いという点で一致。ふだんは沈着冷静な審判も、騒動でテンションが上がっていたのかもしれない。
[1/3ページ]