「ロックファン、増やせるといいな」 11歳兄と10歳妹の超絶プレイヤーはロックの救世主となるか
ジミヘンからYOASOBIまで演奏する11歳と10歳
この子たちはいったい何者だ?
少年ギタリストと少女ベーシストのプレイを見て目が釘付けになった方もいらっしゃるのではないか。
【ギャップ凄写真】すでにプロの域? 冷静にインタビューに答える姿から楽器を手にしての豹変ぶりに驚き
自身のYouTubeチャンネル「Ototaro&Nene」やX、Instagram(フォロワー約15万人)に投稿された動画では、ジミ・ヘンドリックス、レッド・ツェッペリンからメタリカ、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンさらにはYOASOBIの「アイドル」まで、幅広くプレイ。楽器は有名ブランド、ESPのプロ仕様。成長しきっていない小さな指はフレットの上を低音から高音まで広範囲に動く。複数の弦を同時に鳴らすカッティングもシャープ。
かなり難易度の高い曲を2人は易々と演奏している。超絶テクニックといっても過言ではない。しかも演奏しながらカメラのレンズに気合いの入った目線を向け、キッスのジーン・シモンズみたいに、舌を出すなどパフォーマンスも堂に入っている。
2人は兄妹。ギターを弾く兄の三宅音太朗君は11歳。ベースを弾く妹の音寧ちゃんは10歳。
彼らは何者なのか。取材OKの返事をもらい、神奈川県某所に出向いた。動画で見たメタル顔でガンを飛ばしてこないか――という心配は、杞憂だった。
「こんにちは!」
「よろしくお願いします!」
ロン毛の音太朗君も前髪を真っ直ぐそろえている音寧ちゃんもはきはきしていて、実に礼儀正しい。敬語の使い方も完璧。動画での挑発するような表情は、すでにロック・スターを自覚している彼らのプロ級のパフォーマンスなのだ。
キャリアは保育園からスタートしていた
音太朗君が初めて楽器をさわったのは6歳のとき。
「誕生日プレゼントでギターを買ってもらいました。ピグノーズというブランドの、アンプが内蔵されているキッズモデルのエレキでした。でも、クロマチックギタースケールに飽きて、2か月くらいでやめちゃったんです」
クロマチックギタースケールとは、ギターのフレッドの上で指を動かす基礎練習。
「僕、もっと曲をやりたかったんですよ。少し経って久しぶりにギターを触って曲っぽい音を弾いていたら楽しくて楽しくて。あれから毎日弾いています」
音寧ちゃんは5歳のときにギターを手にした。
「でもピンと来なくて、ピアノに換えました。でも、それも楽しくなくて。だからといって歌もいやでした。ところがベースを弾いたら、カッコイイー! としびれたんです。それで毎日ガンガン弾いていたら、曲を演奏できるようになりました。ベースは大きいし、重いし、抱えて弦を押さえるのが大変でしょ、と言われるけれど、そんなことは全然気になりません」
そう話しながらバッキンバッキンとスラップ奏法(指で弦を叩くように弾く、日本では“チョッパー”とも言われる)を披露してくれる。指は小さいのになんで太い音が出るのか――。驚かされる。
「ベースを選んでからは楽しくて、やめたいと思ったことは、1度もないです」
やめたいと思ったことはないと言うところに、兄へのライバル心をのぞかせる。
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