雑誌の殿堂「大宅文庫」が“グーグルを先取りした”と称される理由…なぜ大宅壮一は「つまらない記事」の所蔵にこだわったのか
何か知りたいことがあるとき、スマホで検索すればGoogleがその結果を表示してくれる。生成AIが進化すればさらに詳しい情報が手に入るだろう。一方で、インターネットが存在しない時代から“目的の資料がすぐに引き出せるように”と、膨大な雑誌資料を記事単位で整理、分類していた人物がいる。評論活動のため、資料収集と整理に力を注いだ評論家・大宅壮一(1900-1970)だ。(全2回のうち「第1回」)【高橋ユキ/ノンフィクションライター】
京王線八幡山駅を降り、松沢病院を左手に見ながら赤堤通りを南に10分ほど進むと、右手に小さな建物が見えてくる。...