“超円安”の夏休みでも「ビジネスクラス」で約200万円節約!? FPが教える海外旅行の裏ワザ
エコノミークラスよりも、ビジネスクラスの方がお得?
風呂内氏は夫婦で「世界一周航空券」をこのように使った。
「2023年の5月から約2カ月間の世界旅行をしました。羽田、パリ、ロンドン、バルセロナ、ニューヨーク、ワシントンD.C.、ラスベガス、サンフランシスコ、成田というルートです」(風呂内氏)
長距離のフライトで体力を削られないよう、席はビジネスクラスを選択したという。
「航空券が65万6300円で、そこにフライト毎の燃油サーチャージ等を合わせると、飛行機にかかった費用は1人あたり約83万円でした」(風呂内氏)
決して安くはないが、世界7都市を飛び回って、しかもほぼビジネスクラス。ふつうに購入するのに比べると2人で200万円以上の節約になったそうだ。
「エコノミーならキャンペーンを使ったり、LCCなども駆使したりすればもっと安いこともあります。だからこそ、ビジネスクラスの方がお得感は大きいのです」(風呂内氏)
たしかに、セールなどを狙ってエコノミーの33万5000円よりも安く抑えることは可能かも知れないが、ビジネスクラスで65万円より安くするのは不可能だろう。
燃油サーチャージの水準は少し落ち着いてきた
さらに料金に影響を与えるのは、航空券にプラスアルファでかかる「燃油サーチャージ」や施設使用料、諸税など。燃油サーチャージは原油価格や為替の影響を受け、航空会社によって扱いが異なる。JALやANAは2か月ごとに改定され、コントロールの効かない部分だ。
「燃油サーチャージは発券時の水準が適用されます。JALだと2ヶ月ごとに、その翌月・翌々月に適用される金額が発表され、その金額は“ゾーン”で決まっています。そのため、自分が発券したタイミングが割高だったのか割安だったかの1つの目安になります。利用することになる他の航空会社もそれぞれのルールで適用されるため、完全な基準にはなりませんが、ざっくりとした立ち位置を確認できることになります」(風呂内氏)
例えばJALの場合、燃油サーチャージのゾーンはAからOまで15段階あり、アルファベットが進む毎に支払う料金も増えていく。風呂内氏が体験したケースだと、2020年2月発券(コロナ禍によりキャンセル)はゾーンCだったが、2023年11月発券はマックスのOにまで値上がりしていた。また、スケジュールの都合で2023年12月に発券し直した際はゾーンLになっていた。
これから購入を検討する場合、2024年9月末までの発券については、Oより5つ下がりゾーンJとなっているため、最も高い時期にはあたらない。
「燃油サーチャージの水準も多少落ち着いてきて、航空チケットそのものは定額であることを考えると、お休みはカレンダー通りという人が、少し贅沢に旅行をしたい場合にも選択肢になり得るチケットだと思います」(風呂内氏)
風呂内氏は自身のYouTubeで世界一周航空券の詳細なルールや、実際に行った旅行でかかった費用なども公開している。
海外旅行が手軽ではなくなってしまった今こそ、使える節約術はなんでも活用したいところだ。
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