「今やインフルエンザのような身近な病気になりつつある…」梅毒に2回感染した53歳「男性」の告白
匿名・無料の検査を実施
医師の診察を受ける時に、相手は誰か、場所は、頻度は、どこの店で等々、根ほり葉ほり聞かれるのではと心配してしまう人もいるかもしれない。
「私が診てもらった病院では、梅毒を治すことを医師が最優先していたので、交友関係などあれこれ聞かれることはありませんでした。2回目の時も同様で、淡々と診察・検査をしてくれました。『今後はちゃんと避妊具を使用してください』とか『あんまり変な遊びをしないように』とか、余計なことは言わないんだなと思いました。もちろん、患者の方から積極的に状況を説明するのは構わないのでしょうが」(Xさん)
東京都など多くの自治体では、保健所などで匿名・無料の梅毒検査を受けることができる。しかし、この検査で陽性反応が出た場合は、改めて病院へ出向き、薬を処方してもらわなければならない。
「この手間も面倒くさいと思ってしまう人は多いようです。実は梅毒の抗生物質はネットでも数千円で買えます。でも、ちゃんとした薬なのかどうか、正確にはわかりません。感染の疑いがあるからと、医師の診断や検査を受けずにネットで買った薬を飲んで安心している人もいるかもしれませんが、これはやはり危険だと思います。面倒でもちゃんと医師の診断を受けることが大切だと思います」(Xさん)
字面からして怖いイメージのある病気だけに、情報が少ない昔は人目を忍んで病院に行くことでしか知識を得、治療することはできなかった。情報化社会の今、スマホを見ればありとあらゆる情報が手に入る。梅毒もXさんが言うように「身近な病気」になったのかもしれない。しかし、病気には必ず個人差がある。ネット情報を鵜呑みにせず、きちんと医師の診断を仰ぐことが大事だろう。
*第2回は感染源として疑われる風俗業界の実情を紹介する。
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