左投手に敢えて左打ちの清宮を…日ハム・新庄監督の“感性采配”はどこまで通用するのか

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「打つと思ったんだよ」

 今季の日ハムはスタートから好調だった、5月末時点での成績は27勝19敗2分け。2位タイで首位・ソフトバンクとのゲーム差も「4」と僅差に迫っていた。だが、6月は6勝14敗3分け。7月も黒星スタートとなり、14日現在、37勝38敗5分けの4位となっている。先発ローテーションの一人だった北山亘基(25)が左足中指を骨折し、伊藤、加藤貴之(31)、山崎福也(31)の三本柱が揃って調子を落としたのも痛かった。

 6月の失速劇と共に、投手コーチの配置転換も行われた。6月12日、継投策の助言役だった建山義紀コーチ(48)がブルペン担当となり、武田久コーチ(45)がベンチ入りすることになった。新庄監督は、

「武田コーチにも僕の考えを知ってもらうため。建山コーチにもブルペンの気持ちを分かってもらって、また(元の役割に)戻ってもらう。それだけのこと」

 と説明していた。しかし、関係者の間では「建山コーチと何かあったのではないか」と勘ぐる声も出ていたという。

 建山コーチが4月19日のYouTubeチャンネル「フルタの方程式」に出演したときのことだ。元ヤクルト監督の古田敦也氏(58)に“新庄監督の野球観”をこう話していた。

「(監督の)となりに僕がいて、ピッチャーがそろそろ球数的にも(打者との)タイミングも合ってきて、『代えましょうか?』ってやり取りをするんですけど、新庄監督は『イヤ、いい。大丈夫。ここは抑えるから、三振でとかショートゴロで』とか打ち取り方まで言うんですよ。で、本当にその通りになることも多くて」

 建山コーチはさらに「その反対もある」と話していた。

「(新庄監督に)あのバッターのところで代えてねと言われて、僕もあんまりリリーフを使いたくないから、(続投させましょうと)言うんです。そしたら、あのバッターでっていったところでホームラン打たれたり。僕は平謝りなんですけど」

 その後、「何で分かったんですか」という建山コーチの質問に対し、新庄監督は「打つと思ったんだよ」としか説明してくれないとも話していた。古田氏は「(監督は)未来から来たんじゃないか?」と笑っていたが、これこそが新庄監督の独特の感性なのだろう。

 そうなると、コーチ一年目の武田コーチに新庄監督の感性を理解しながらの進言は、まだ難しいかもしれない。

「新庄監督は好投手を発掘すると、その投手を集中して使う傾向も見られます。序盤戦、リリーフで好投していた北浦竜次(24)がとくにそうでした。同点の場面やビハインド、敗戦処理のような試合でも投げさせられていました。今、ファームで再調整中ですが、球速が元に戻っていないのが気掛かりです」(地元メディア関係者)

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