球界初! 野村大樹&齊藤大将の「異例過ぎるトレード劇」 “あえて育成獲得”ソフトバンクの「真の狙い」とは

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 ソフトバンクの野村大樹内野手(23)と、西武の齊藤大将投手(29)のトレードが成立した。齊藤は育成契約。育成選手のトレードはプロ野球界初である。

野村放出のワケ

「野村は2019年に早稲田実業高からドラフト3位で入団しましたが、層の厚いソフトバンクでは1軍定着の可能性がきわめて低かった」

 とスポーツ紙記者が語る。

「なので、パ・リーグ最下位の西武に送り出したのは、早実OBの王貞治会長なりの親心でしょう。野村を出せば、限りある支配下登録枠の空きが増え、齊藤含め55人もいる育成選手たちのモチベーション向上につながるという利点もあります」

 なるほど。ソフトバンクが野村を放出した理由は理解できる。しかし、なぜ齊藤を獲得したのか。パ首位を独走するソフトバンクが、アラサーの育成選手を必要としているとはどうしても思えないのだが。

「あえて育成獲得」の深謀遠慮

「ソフトバンク側は見返りの選手なしの金銭トレードでもよかったのですが、あえて育成をもらったところに深謀遠慮がありました」

 どういうことか。

「ドラフトでの育成指名は、多くの球団が0~3人の指名にとどめるのに対し、ソフトバンクはここ4年で44人も指名しています。そのため前述したように、球界ダントツの55人もの育成選手が溢れているのです」

 金満球団ならではの大量の育成契約は青田買い戦略に他ならず、圧倒的な戦力を誇る同球団の原動力の一つになっている。実際、渡米した千賀滉大投手(31)をはじめ多くの育成出身選手が後に支配下となってチームを支えている。ただし、

「大量に採用している以上、大量に解雇もせねばならず、『使い捨て』との誹りを免れない。そこで、育成のトレードの口火を切ることで、ダブついている手持ちの育成選手を他球団に“おすそ分け”する流れを作ろうとしたのです。入団会見で三笠杉彦GMは早速『うちの育成選手も見てほしい』と売り込んでいました」

 ここにも雇用流動化の波。

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