「糖尿病で右腕切断」 “ピッカリ投法”の佐野慈紀が明かした凄絶闘病生活 「ブログは強がりだけど、読者にエールを」

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「腕ごと切断」に至るまで

 佐野本人に聞くと、

「糖尿病を発症した後、8年前からインスリン注射を打つようになり、これまで何度も心不全を起こしてきました。現在は人工透析を受けています」

 昨年4月に合併症で重症下肢虚血を患い、右足中指を切断。そこから入院生活が続いているそうだ。

「昨年12月、感染症が足から右手指に転移し、指先を2本切断しました。しかし、じきに右手指の周りも壊疽が生じ、しまいには右腕にまで感染症が転移してしまい、腕ごと切断せざるを得なくなったのです」

 今は日々、切断した箇所を洗浄して手術痕が閉じるのを待ちながら、

「上手に歩くためのリハビリに励んでいます。右腕や右足中指がなくなってしまったことに加えて、今年1月からこれもやはり糖尿病の合併症で、心機能が衰える心臓弁膜症を患い、運動が制限されてきたからです。いずれ手術をすると思いますが、とりあえずはバランス感覚や脚力を取り戻すほうが優先です」

「引退した野球選手の成れの果て」

 佐野は満身創痍にもかかわらず、ブログに陽気なタッチで闘病生活をつづっている。毎回、文末で〈糖尿病は恐ろしい 健康第一 みんなかがや毛~!〉とおどけてみせているが、

「本音を言えば、現在の私は引退した野球選手の成れの果てだと思っており、ブログは強がっているに過ぎません。でも、これをつづることで、同じような境遇に苦しむ大勢の人たちが自分を励ましてくれる。だから私も読者に明るくエールを送り返したいんです」

 今後の目標は?

「どんな形でもいいので大好きな野球に関わり続けていきたい。ある程度は体を動かせるようになったら、左腕を使って“ピッカリ投法)を披露しますから」

 強靭な回復力を見せてほしいと、切に願わずにはいられない。

週刊新潮 2024年7月11日号掲載

ワイド特集「罪と罰」より

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