【石丸伸二氏】テレ朝の“頭ポンポン”独占インタビューで悪評払拭? 識者は「維新公認で広島1区から出馬すればバッシングは止む」

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静かな石丸氏の聴衆

 選挙コンサルタントの鈴鹿久美子さんは“勝たせ屋”の異名を持つ。政治家育成、国会議員秘書の人材育成なども手がけながら、これまで立候補した100人以上の“政治素人”を当選させており、その勝率は88%だという。

 鈴鹿さんは「選挙最終日の7月6日、小池百合子さん、石丸さん、そして蓮舫さんの街頭演説を現場で見て来ました」と言う。

「小池さんの街頭演説は聴衆が非常に少なく、SPや関係者が厳重に警戒する中、少し離れた場所から100人近い反対派が“辞めろコール”を連呼するなど、かなり殺伐とした雰囲気でした。一方の石丸さんは1500人くらいの聴衆が演説を熱心に聞いていましたが、どことなく熱気が感じられなかったのが印象に残りました。礼儀正しい拍手は何度も起きたのですが、石丸さんが登場しても『きゃー!』とか『わー!』という歓声が上がらないのが不思議でならなかったんです」

 鈴鹿さんは元環境相の小泉進次郎氏や、大阪府知事の吉村洋文氏の街頭演説と比べて更にこう続けた。

「小泉さんも吉村さんも登場した途端『きゃー!』と歓声が上がります。熱心な支援者は、コンサート会場に推しを見つけた時と同じ状況になるのが常。ところが石丸さんの場合、とにかく聴衆が礼儀正しいというか、大人しいんです。不思議な気持ちになりました。最終日の演説会場で最も熱気を感じたのが3位で終わった蓮舫さんでした。新宿に押し寄せた聴衆は3000人とか4000人はいたでしょう。集まっている人々は年代も服装も様々で、動員で集められた人々ではないと判断しました。実際、連合は蓮舫さんを支援しないと表明しましたし」

「自分も馬鹿にするんだろうな」

 不思議なことに聴衆の少ない順に当選、2位、3位……という“反比例”の結果になったわけだ。石丸氏の得票は約165万8000票で、得票率は24・3%。これほどの支持を得ておきながら、開票速報での受け答えが原因で批判が殺到している。

「自民党の裏金事件による政治不信は深刻で、有権者はこのモヤモヤを一掃してくれる“ヒーロー”を待ち望んでいると言えるでしょう。約166万票のうち、かなりの票が石丸さんを“若きヒーロー現る”と期待を込めて投じられたはずです。ところが選挙が終わり、開票特番で見せた石丸さんの受け答えは、『自分は頭の良い、エリートである』というメッセージを発信することに重点が置かれたように見えました。説明のために言葉を尽くすのではなく、質問者の発言ミスや言葉足らずを指摘し、そこを追及することに力を入れたわけです。石丸さんを“ヒーロー”と期待している人の一部は溜飲が下がったかもしれませんが、ここに危険な落とし穴があると思います」(同・鈴鹿さん)

 何しろ166万票だ。川崎市の人口約153万8000人や福岡市の約161万2000人に匹敵する巨大な人数になる。

「石丸さんに一票を投じた有権者の中には、社会学者の古市憲寿さんや山崎怜奈さんのファンの方もたくさんいたでしょう。石丸さんがもう一人の自分の推しを蔑んだことで、自分が馬鹿にされたように感じた方もいらしたのではないでしょうか。少なくとも、これは全国ニュースとして報じられましたから、都知事選挙にそれほど興味がなかった方が『石丸さんという人は他人の小さな弱点を指摘して見下すタイプの人なんだろう』と悪い印象を持った人が続出したはずです」(同・鈴鹿さん)

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