斎藤兵庫県知事 県政史上最低の会見、副知事辞任で四面楚歌に…「告発した元局長が亡くなってもパワハラを証言する人はいる」

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7000人アンケート

「そもそも元県民局長が書いた告発文は、彼自身の体験だけを綴ったものではありません。県職員などが知事からこんな目に遭ったという証言を集めたものです。実は、すでに委員会で証言することを約束してくれた方もいる。現在の知事の行状を見て、これから証言してくださる方も出てくると考えています」

 19日の百条委員会では、新たな提案もされるという。

「警察官や教員などを除いた県職員、つまり知事部局の職員7000人へのアンケートです。これをどの様な形で行うかが提案される予定です」

 すでに丸尾牧県議が職員に対し独自のアンケートを行い、回答した21人中7人が「知事によるパワハラ行為を見たり聞いたりした」という結果が出た。

「丸尾県議は4月下旬、通勤途中の職員300人にアンケート用紙を配りましたが、その時はここまで問題は大きくなっていませんでした。今度は7000人が対象です。元県民局長のような報復人事が行われないよう、無記名での回答も認めたうえで実施するのがいいでしょう。知事寄りの会派は、無記名に反対するかもしれませんけど。アンケートが実施されれば、告発文よりもっと具体的な酷い話が出てくるかもかもしれません。となれば、さすがに知事も『生まれ変わる』なんて言っていられる場合ではなくなると思います」

 元県民局長は現職時に毎月、県民や職員に向けてホームページ上でメッセージを送っていた。以下は今年3月、つまり懲戒処分を受ける前の最後のメッセージの一部だ。

《このメッセージ欄は一般県民の皆さんの読者もいらっしゃるようですが、一方で、県職員の中にも何人かの愛読者がいるようです。自分は間もなく、県を退職します(予定)が、これから県を支えていく後輩の皆さんに最後に伝えておきたいことを書いておきます。/我々は公務員です。仕事は県民の皆さんのためにするものです。自分のために、自分の栄達のために、仕事をしてはいけない、仕事を利用してはいけない、県民を利用してはいけない。そして、自分の損得勘定で行動してはいけない、人を選別してはいけない。昇任、出世は結果であって、それを目的にしてはいけない。(中略)最後に。人を大切にすること、義を通すこと、誠実であることを、ひとりの人間としてずっと心に持ち続けて欲しいです。そして、筋を通そうとして挫けることがあっても、理不尽な現実の壁に跳ね返されても、諦めないで下さいね。「いつかきっと」と心に念じながら。/素晴らしい人にたくさん出会えますように。県民の皆さんの心に残る仕事に出会えますように。/長らくのご愛読ありがとうございました。お世話になりました。おわり。》

 こんな職員が書いた告発文を、斎藤知事は「嘘八百」「公務員として失格」と切り捨てたのだ。

デイリー新潮編集部

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