「年収ランキングは五大商社が独占」「部長クラスで退職金1億円以上」「外資系銀行のトレーダーなら年収1億円」…令和の勝ち組となった高額所得者たちの懐事情とは
常務取締役で1億2000万円の役員報酬
現実の高所得者の懐事情と生活をのぞいてみよう。
大手総合商社勤務の男性(30代・係長級)が言う。
「年収は約2000万円です。ボーナスの割合が大きくて年収の半分、1000万円ほどを占めます。私の年収は平均くらいですが、社長賞を取るような同期だと年収で2300万円はもらっているはずです」
さすが、現代の勝ち組である商社マンといえよう。また、その昇給の仕組みについてはこう解説する。
「入社当時の大卒初任給は約20万円でした。残業代は付いたものの、1年目はボーナスもなく、年収は300万円程度。2年目で700万円になり、そこから管理職になるまで、入社から10年ほどは毎年約100万円ずつ年収が上がりました」
別の大手総合商社の関係者は、
「部長クラスで4000万円、常務取締役ともなれば1億2000万円の役員報酬を得ます。また、部長クラス以上になった者は退職金も1億円を優に超えます」
次に紹介するのは商社同様、円安を背景に好調な自動車メーカーの社員だ。特にトヨタ自動車は2024年3月期連結決算で純利益が前期の約2倍の4兆9449億円、営業利益も約2倍の5兆3529億円といずれも過去最高だった。
「事務系総合職なのですが、現在、年収は1500万円ほどです。部長クラスで1700万~1800万円。ただし、年収は年齢や年次で一概に決まりはしません」
そう語るのは、トヨタ自動車の男性(40代・課長級)だ。トヨタは20年に賃金制度改革があり、一律の定期昇給は廃止されているのである。
「過去最高益の恩恵もあって、若手を中心に賃金を引き上げています。私も今年度から、月に手取りで4万円ほど上がりました」
日本経済のけん引役は、社員にも利益を還元しているようなのだ。
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