ウルトラマンが子育てする野球選手、手足の長い細身体形…米国発のアニメ、制作者が語る“異色ずくめ“の理由
日本発の特撮ヒーロー「ウルトラマン」を米国人監督らが新たに創造したオリジナル作品「Ultraman: Rising」の世界独占配信がNetflixで始まった。この作品でのウルトラマンは巨大怪獣とKDF(怪獣防衛隊)の戦いに巻き込まれ、その巨大怪獣の赤ちゃんを育てることになる。しかも職業は野球選手という、これまでにないようなストーリーが特徴だ。
アメリカ人が作るとこうなる
「ウルトラマンもアメリカ人が作るとこうなる 興味深かった」
「ウルトラマンシリーズ」の円谷プロのホームページにこんな言葉がアップされた。言葉の主は、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー。作品を見た人の中には同様の感想を抱いた人も多かったに違いない。
主人公のサトウ・ケンは野球界のスター選手。彼のもう一つの姿は地球を守るスーパーヒーロー、ウルトラマンだった。その役割を全うするため、日本に帰国し、日本球界での試合に臨んでいる最中、現れた強大な怪獣ジャイガントロンと戦う。戦闘の中でその強敵の赤ちゃんの世話をすることに。エミと名付けられた赤ちゃん怪獣の世話をしながら、疎遠になっていた父親との関係や、ウルトラマンであることの真の意味と向き合っていく……。
作品は「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」の原案・キャラクターデザインでも知られるシャノン・ティンドル氏が監督・脚本を手掛け、ジョン・アオシマ氏が共同監督を務めた。
ウルトラマン愛が再燃した
「ウルトラマンに出会ったのは6歳ごろ。当時住んでいたのはケンタッキー州南部のシェパーズフィールドというとても小さな町で、テレビは3チャンネルしかなかった。ある土曜日、いつものようにチャンネルをカチャカチャ回しているときに突然出会ったんだ。怪獣と戦う姿に引き込まれてね。でも当時は日本、あるいは世界のほかの地域で、ウルトラマンがどれほど有名なキャラクターかも知らなかった」
ティンドル監督はそう述懐する。
その後、ロサンゼルスへ引っ越し、日系の人口が多い土地柄で、さまざまなウルトラマンシリーズの作品を目にし、「ウルトラマン愛が再燃したんだよ」という。その思いは「もっと多くの人にウルトラマンを知ってほしい」との考えにつながった。
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