倒産、事故を経て57歳で“時の人”に 『血と骨』梁石日さんの豪快人生【追悼】
梁石日(ヤン・ソギル)さんは小説で在日韓国・朝鮮人のアイデンティティーを問いながら、声高に問題提起などはせず、あるがままの在日の姿を描いて共感を呼んだ。なかでも1998年に上梓した『血と骨』は、梁さんの実父をモデルに、むき出しとなった生、暴力、心の暗部を徹底して表現、ベストセラーとなる。
小説の舞台は1930年代の大阪に始まる。済州島から日本に渡った少年は、強靭な肉体と凶暴な性格でのし上がる。名は金俊平。子連れの美女、李英姫を凌辱して強引に結婚。...