「花の35期」から新「最高裁長官」誕生 「経産省“女性用トイレ”裁判」で全国紙一面を飾った過去

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 8月10日で定年退官する戸倉三郎・最高裁長官の後任に、今崎幸彦・最高裁判事(66)が就任することが決まった。「三権の長」の一人となる第21代の長官は、果たしてどんな人物だろうか。経歴や判決から探ってみた。

黒川、林、若狭、郷原……

 今崎氏は1957年生まれ。京都大学法学部を卒業し、1983年に判事補に任官。以後は刑事裁判に携わり、水戸地裁の所長や東京高裁長官を歴任した。また、最高裁で秘書課長や事務総長を務め、裁判員制度の導入に関わるなど、裁判実務だけでなく司法行政にも精通している点が評価されたと報じられている。

 司法界に詳しいジャーナリストによれば、

「今崎さんが司法修習生となったのは1981年で、第35期に当たる。この期はとりわけ検察官として出世した人材を多数輩出し、“花の35期”と言われています」

 名簿を見ると確かに「著名人」が目に付く。

 東京高検の検事長を務め、検事総長間近までいきながら「賭け麻雀」問題で失脚した黒川弘務氏と、そのライバルと言われ、後に検事総長に就任した林真琴氏。

 防衛施設庁の談合や福島県知事の汚職を担当し、東京地検特捜部長として陸山会事件を手掛けた佐久間達哉氏。

 さらには、東京地検特捜部副部長を経て政界入りし、一時は小池百合子都知事の側近として重用された若狭勝氏や、元東京地検検事の郷原信郎氏などは、テレビのコメンテーターとして活躍中である。

自ら明かす趣味は……

 今崎氏が最高裁のHPで自ら公にしているところでは、趣味は音楽鑑賞で70年代、80年代の洋楽好き。ジャズやクラシックも好きで、ブラームスやドビュッシーを好むという。

 最近読んだ本として挙げているのは、『独ソ戦』や『中国化する日本』など。好きな言葉はカエサルが語ったとされる「多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない」とのことだ。

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