「信念など欠片もない政治家」選挙特番に出演した石丸伸二氏をXで13人の“オピニオンリーダー”次々批判 意外な共通点が

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「若者の票は離れるだろう」

 石丸構文の本質を解明しようとしたのは、映画評論家の町山智浩氏(62)だ。2本のポストをご紹介する。

《開票後の古市氏と武田氏のインタビューは「議論」の場ではなく、石丸伸二の政治的な理想や目標、信条を表明できる絶好のチャンスなのに、質問の腰を折るばかりだった理由は【1】それしかコミュニケーションの方法を知らない。【2】そもそも語るべき政治的な理想がない。のどちらかではないかと》

《石丸伸二は会話がキャッチボールだということがわかってなくて、相手が投げた球を取ろうとせず、相手が取りにくい球ばかり投げる。それで相手が取れないことを勝ちだと思ってる》

 先に紹介した谷本真由美氏の投稿を引用し、「石丸ブームは終わる」と指摘したのは作家でジャーナリストの門田隆将氏(66)だ。

《若者の票は蓮舫氏より石丸伸二氏に向かったようだか、すぐ離れるだろう。各局で見せたこの人の態度は、1期で放り出した安芸高田市長時代の態度を彷彿させる》

「落選インタビューで大失敗」

 都知事選に立候補した暇空茜氏もXに《石丸伸二さんがどういう人間かなんて市長時代から分かりきってたし、石丸構文も市長時代から使いまくってたし、"そんな石丸伸二がクラウドワークスとかの切り抜きでめちゃくちゃ恣意的にゴリ押しされて結果都知事選挙2位"ってのはめちゃくちゃ怖いことなんだよ》と投稿したが、門田氏はこの投稿も引用してポストを投稿している。

《イメージ戦略に乗って165万もの票を石丸伸二氏に投じた都民。安芸高田でもくり返した質問者をネチネチ締め上げる屁理屈は早くも“石丸構文”と名づけられた。この人が“どういう人間か市長時代から分りきってたし、石丸構文も市長時代から使いまくってた。そんな人が都知事選2位。めちゃくちゃ怖いこと”に頷く。民主主義の欠陥を突かれた都知事選だった》

 インタビューの受け答えだけで一気に世論が変わってしまったと指摘したのは作家の百田尚樹氏(68)だ。

《今回の都知事選、当選者は小池氏だが、最も大きなポイントを稼いだのは石丸氏かもしれない。市長辞任から都知事選立候補さらに選挙戦術において、最高の展開を演じた。しかし、最後の最後、各テレビ局との落選インタビューで大失敗した。まさに、九仞の功を一簣に虧く。本人、わかってるかなあ》

“保守派”も“リベラル派”も……

 最後に最新の動向を見ておこう。東京新聞(電子版)は7月8日、「石丸伸二氏、選挙ポスター代『未払い』で敗訴確定 最高裁が上告受理せず 広島・安芸高田市長選で業者へ依頼」との記事を配信した。立憲民主党の衆議院議員、米山隆一氏(56)は記事を引用し、以下のようにXに投稿した。

《裁判で争うこと自体は否定されませんが、この手の商取引の支払い訴訟で、一審二審で負けたのに最高裁までもっていくのはただ単に意地になって相手に嫌がらせをしているだけ。ネット広報の波に乗った手腕は認めますが、行政トップにしていい人とは到底思えません》

 ここでXに投稿を行った武田砂鉄氏、ラサール石井、泉房穂氏、高須克弥氏、井川意高氏、内田樹氏、平野啓一郎氏、水道橋博士、藤井聡氏、町山智浩氏、門田隆将氏、百田尚樹氏、米山隆一氏──13人の平均年齢を計算してみると、66・6歳となる。

 最年少は武田砂鉄氏の41歳。武田氏は1982年10月、石丸氏は同年8月の生まれだ。他の12人は全員が石丸氏より年上になる。

「石丸さんの熱心な支援者なら、まさに“出る杭は打たれる”的に高齢者が若い石丸さんを批判しているように見えるかもしれません。しかし、これだけ“オピニオンリーダー”として錚々たるメンバーが揃って批判したのですから、“老害”として片付けるわけにはいかないでしょう。むしろ注目すべきは論客として保守的な人も、リベラルを志向する人も、そして革新的な意見を持っている人も、それぞれの思想的な立脚点や人生経験から石丸氏を批判しているということではないでしょうか。こうなると年齢は別の意味を持ちそうです。要するに41歳の石丸氏と同世代か、それより若い層は支持しても、人生経験の豊富な50代、60代は石丸氏の問題点が見えているということだと思います。実際、Xなどでは『ベンチャーとかコンサルにあんな感じの中堅社員いるけど苦手』とか、『若手には人気があっても、仕事のできるベテランには評価されないタイプ』という投稿が散見されるのです」(同・記者)

デイリー新潮編集部

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