「信念など欠片もない政治家」選挙特番に出演した石丸伸二氏をXで13人の“オピニオンリーダー”次々批判 意外な共通点が

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 失言から一気に“旋風”が消滅するのか、それとも強い“岩盤支持層”に支えられるのか──。7月7日に投開票された都知事選で約165万票を獲得し、2位に食い込んだ前広島県安芸高田市前市長の石丸伸二氏(41)に批判が殺到している。評価の転換点となったのが、1本の地上波特番、1本のYouTube番組、そして1本のラジオ番組だった。

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 放送開始順に見ていこう。日本テレビは公式YouTubeチャンネル「日テレNEWS」で午後7時50分から「【都知事選ライブ】東京都知事選デジタル特番」を配信した。担当記者が言う。

「この特番には社会学者の古市憲寿さん(39)が出演し、石丸さんとの質疑応答が注目を集めたのです。そもそも石丸さんは都知事選で『政治屋の一掃』を訴えており、その点について日本テレビの解説委員長である小栗泉さん(59)が質問しました。ところが石丸さんは明白な回答を避けたようなところがあり、古市さんが再び問いを投げかけました。しかし最後まで2人の会話は噛み合わず、時間切れで終わってしまったのです」

 このやり取りに注目したのが「取材不足」氏。「石丸伸二ウォッチャー」を自称し、YouTubeやXで石丸氏に批判的な投稿を行っている。

 取材不足氏が現代ビジネスに「都知事選に出馬表明した安芸高田市・石丸伸二市長は『恫喝裁判』『73万円踏み倒し裁判』で相次ぎ敗訴…!それでもSNSで大絶賛される若きエリートの『実像』」など複数の記事を寄稿した際は、石丸氏の支援者と思われる投稿者から批判が殺到し、炎上状態となった。

ふかわりょうの投稿

 取材不足氏は古市氏と石丸氏のやり取りを採録し、《安芸高田市で繰り返されてきた典型的な石丸マジックが日テレnewsという全国版で炸裂した。素晴らしい》とのコメントと註釈を付けた上でXに発表した。冒頭の一部だけを引用させていただく。※の部分が取材不足氏の註釈だ。

《古市「石丸さんが批判する政治屋と石丸さん自身はどう違うんですか?」
石丸「なんか堂々巡りになってる気がするんですけど、先ほど定義についてお話しましたよね」
 ※初めての質問なので堂々めぐりの要素はありません
古市「だから改めて定義を聞いてるんですけど、石丸さんの考える、批判する政治屋と、石丸さんが今自分が体現してる政治家っていうのはどう違うんですか?その定義を聞いてます」
石丸「同じ質問を今繰り返しされてます?さっき答えたばっかりですけど」
 ※石丸氏は政治屋の定義しか答えていません》

 このような押し問答が開票特番で放送されることは滅多にない。一般のネットユーザーも古市氏と石丸氏のやり取りをXなどに投稿し、あっという間に拡散した。これにお笑いタレントのふかわりょう(49)がXに「【心配】 石丸さん、サブウェイ注文できるかな」と投稿するとネット上で一気に火が付いた。

石丸構文の誕生

「サンドイッチのチェーン店であるサブウェイは店員さんにパンの種類やトッピングなど、細かく指示する必要があります。ふかわさんは『石丸さんのような高圧的な態度では、店員とコミュニケーションが取れるはずがない』と揶揄したわけですが、これにネット上は盛り上がって“石丸構文”という造語を作ってしまいました。古市さんとの会話を元に、石丸さんがサブウェイで注文しても噛み合わない様子がパロディ化されるなどし、石丸さんを批判する声は拡散を続けました。あまりにも反響が大きかったため、かつて『セクシー発言』などが批判された元環境相の小泉進次郎さん(43)も“小泉構文”という造語が作られ、石丸構文と小泉構文を比較する投稿も相次ぎました」(同・記者)

 TBSラジオは午後7時58分から「開票LIVE2024~カオス!東京で何が起きていたのか」を放送。メディア評論家の荻上チキ氏(42)が「どんな点、手応えを感じた選挙だったのでしょうか?」と質問すると、いきなり石丸氏は「うん? どのくだりをされてらっしゃいます?」と逆質問した。

 その後も荻上氏と石丸氏の質疑応答は噛み合わず、荻上氏が「どんな点に手応えを感じたんでしょうか?」と再質問しても、石丸氏は冷笑を浮かべながら「手応えって言うんですかね。それ」と質問自体に対する違和感を表明し続けた。

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