石丸伸二氏のマスコミ対応に「パワハラ」と批判が殺到 専門家は「支援者は溜飲を下げており、本人もこれでいいと考えているはず」

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石丸氏のリーダーシップ

「このロジックはネット上で高く評価されました。石丸さんの支援層は既存政党のアプローチを嫌気する傾向が非常に強い。田中角栄さんの日本列島改造や、小泉純一郎さんの『私が自民党をぶっ潰す』といったキャッチフレーズ見られる、トップダウンのリーダーシップを旧弊として否定します。石丸さんは『皆さんの意見を募集しています。もし都知事選で当選すれば、それを元に都政を運営します』とボトムアップ型の都政参加を呼びかけました。これは正しい“ネット的な振る舞い”だったと思います。ネットは集合知を評価しますが、石丸さんは『皆さんの意見が集まれば集合知が生まれる、皆さんの集合知を元に都政を刷新する』と有権者に約束したわけです。選挙戦のテクニックとしても、具体的な政策が見えにくいことでメリットが生まれました。対立候補が政策論争などで批判しにくい状況を作り、石丸さんの刷新感あるイメージを守ることに一役買ったと思います」(同・井上氏)

 都知事選におけるネット戦略では意外なことに小池氏も“善戦”し、3人の中では蓮舫氏が最も伸び悩んでいたという。

反原発運動と蓮舫氏

「小池氏は街頭演説を絞り込むなど、意図的に抑制した選挙戦術を採り、現職としての実績をバックに逃げ切りを図りました。ならばネットでの情報発信も減りそうですが、きちんと発信すべきことは発信していました。小池さんがネット選挙の方法論を熟知しているとは思えませんので、優秀なブレーンがいたことが推察できます。一方の蓮舫さんですが、確かに熱狂的な支持者がXなどに多数の投稿を行っていました。ただ、『反原発運動を連想した』という指摘が多かったことは注目に値します。反原発の主張も頷ける部分があるのは事実ですが、彼らは『でも電力がなくなったらどうなるの?』という根源的な疑問には答えません。蓮舫さんの支持層も『反自民党・反小池』は精力的に訴えました。小池さんの都政に納得していない有権者も多いでしょう。とはいえ、蓮舫さんも蓮舫さんの支持者も『蓮舫さんに一票を投じたら、都政はどう変わるの?』という根源的な疑問には答えてくれませんでした。確かに反原発運動と蓮舫さんの選挙戦は似通ったところが多かったと思います」(同・井上氏)

 石丸氏のマスコミ対応に関して批判が殺到しているのは事実だが、「あれで正しい」と応援する声や、「馬鹿な質問ばかりしていたから、胸がすっとした」と溜飲を下げた有権者が多いのも事実だ。

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