巨人・新助っ人「モンテス」は3A首位打者でも、意外な難題が…坂本と「サード争い」も

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モンテスはどこを守る?

 坂本の一軍復帰が遅れた場合、「一塁・岡本和真(28)、三塁・モンテス」の布陣が考えられる。しかし、問題は坂本が復帰してきたときだ。一部では「坂本が再昇格してくるときはファーストミットを持っているのではないか」とも報じられていたが、プロ野球の一塁手はバント処理、中継のカット、サインプレーなど、求められる役割は多い。いくらゴールデングラブ賞5回の名手でも、いきなりは務まらないだろう。しかし、それでも打線強化のためにはモンテスと坂本の両方をスタメン起用させなくてはならない。

「岡本は外野も守れますが、昨年5月にレフトを守った際、二塁走者のタッチアップに気付かなかったという凡ミスがありました。内野手が外野を守ると、集中力が持続しないようです」(ベテラン担当記者)

 モンテスのアルバカーキ退団までのデータを見てみると、今季はセカンドで35試合に出場し、ショート8試合、サード11試合となっていた。外野での出場記録はない。「一塁・岡本、三塁・坂本」を動かせないとなれば、彼をスタメンで起用できるのはセカンドかショートしか残っていない。吉川尚輝(29)が79試合を消化した時点で、全てセカンドでスタメン出場しているが、今季はショートの門脇誠(23)の打撃成績が上がってこない。ルーキーの泉口友汰(25)もいるが、打率は2割6厘(7月7日時点)と低い。モンテスがショートに入る可能性も高い。巨人でショートを守った外国人選手というと、17年のルイス・クルーズ(40=現メキシコリーグ)以来となる。

「90周年を迎えた巨人の長い歴史のなかで、外国人選手がショートを守ったのは、わずか51試合しかありません」(前出・同)

 日本は守備のサインプレーが米国以上に多いという。得点圏に走者を置くと、ボールを投手に返し、投手がセットポジションに入るまでの数秒間でグローブの向きを変えるなど些細な仕種で“会話”をする。その会話の内容は牽制球を投げるか否か、どのパターンで野手がベースカバーに入るかの確認だ。また、同じ牽制でもサインが複数あって、試合途中で変更されることも多い。途中加入のモンテスにショートを守らせるとなれば、その複雑で何種類もあるサインを早急に覚えてもらわなければならない。

「モンテスに関しては守備が巧いといったイメージはありません。打撃力で3Aまで上がってきた選手です」(前出・米国人ライター)

 坂本の「ショート再コンバート」も選択肢の一つだが、年齢的な理由で三塁にまわした選手でもある。

 7月7日、坂本が二軍のジャイアンツ球場で守備練習を再開させた。ノックを受けていたサードで、モンテスとスタメンを争うことになるかもしれない。

デイリー新潮編集部

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