巨人・新助っ人「モンテス」は3A首位打者でも、意外な難題が…坂本と「サード争い」も

スポーツ 野球

  • ブックマーク

投手がQSでも勝てないチーム

 混戦セ・リーグを抜け出す阿部巨人の起爆剤はココ・モンテス(27)か、それとも坂本勇人(35)か――。

 7月6日の東京ヤクルト戦前、巨人担当記者たちは二軍調整中の坂本の昇格について球団スタッフに確認していた。坂本が一軍登録を抹消されたのは、6月26日の移動日。打率2割3分4厘、本塁打4、打点18と不振で、23日から2試合連続でスタメンを外れていた。25日の新潟遠征後、阿部慎之助監督(45)が、

「1回リフレッシュさせるんで、身も心も。もう1回やり直して、良い状態で」

 と再調整させることを伝えていたが、「最短10日で戻ってきてほしいんだけど」とも語っており、その一軍再登録が可能となるのが7月6日だったが結局、昇格は見送られた。

 巨人打線が低迷しているため、坂本の再登録を望む声は多い。79試合を終えた時点(7月7日)でのチーム打率はリーグ2位だが、2割3分9厘(7日時点)。チーム総得点は233点、1試合平均にすると、2.95。先発投手の評価基準に、6イニング以上を投げて3失点以内に抑えるQS(クオリティ・スタート)がある。今の巨人は先発投手がQSしても、これではチームは勝てない。

「そこで、緊急の打線強化策としてモンテスを獲得しました。ひと足先に加入したエリエ・ヘルナンデス(29)が活躍しているので、モンテスへの期待も高まっています。逆転優勝できるかどうかは、坂本とモンテスの活躍次第と言ってもいい。場合によってはこの2人が同じタイミングで一軍に合流するかもしれません。そうなると、大きな問題が浮上してきそうなのです」(前出・同)

3Aで打率トップ

 モンテスは今季、ロッキーズ3Aのアルバカーキで64試合に出場し、打率3割3分5厘、本塁打9、打点47。同チームが所属するパシフィックコーストリーグで、打率トップだった。本職は二塁だが、ショート、サードも守れるので、一時期は「坂本不在の間、三塁を守るのでは」とも言われていた。

「昨年6月にメジャー昇格を果たしていますが、チャンスを活かしきれませんでした。出場は僅か18試合で、打率は1割8分4厘。ただ、デビュー戦でいきなりホームランを打つなど、秘めた可能性はかなりある選手です。メジャーリーグはフラッグディール・トレード(下位に低迷するチームが主力選手を放出し、地区優勝を争っているチームから若手をもらう交換トレード)の真っ最中です。ロッキーズはナ・リーグ西地区で最下位に沈んでおり、完全な売り手側です」(米国人ライター)

 3Aで首位打者ながら、チャンスがなかったのは、ロッキーズの選手構成に原因があるようだ。昨季、モンテスがメジャーに昇格したのは、正二塁手・ブレンダン・ロジャーズ(27)の長期欠場によるものだった。ロジャーズは15年ドラフト会議で1位指名(全体3位)されたチームの看板選手でもある。大ブレイクできないのは故障が多いからで、そのサブ要員がモンテスだった。

「今季のロジャーズはここまで大きな怪我もありません。三塁にはライアン・マクマーン(29)、ショートのエゼキエル・トーバー(22)のレギュラー選手がいて、2人とも打撃好調です。3Aで打率トップでも、彼らに代わって試合に出るのは難しかったでしょう」(前出・同)

 メジャーでの出場機会を失っていたモンテスは、今回の巨人行きに期するものがあるという。昨季のメジャー昇格のチャンスを生かせなかった悔しさ、ロジャーズのサブ要員として過ごしてきた屈辱感を日本で爆発させてくれそうだが、前出の記者が指摘したように、巨人でもまた、守備位置の問題に悩まされそうだ。

次ページ:モンテスはどこを守る?

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。