パパ活する娘を叱ったら「お父さんこそ」と言われて…反論できず 51歳夫が過ごす崩壊前夜の家庭環境
オアシスなんです
そのとき妻は、なぜか夫の風俗通いをとがめることはなかった。だがその後、娘のことが解決すると、「そういえばあなたは今後も風俗通いを続けるつもりなの?」と嫌味たっぷりに聞いてきた。
「あれは娘の誤解だよと言いましたが、『娘に罪を着せないで。みっともない』と一蹴されました。実は例の風俗には、今もたまに行っています。彼女がいなくなればやめるけど、彼女に会うとホッとするんですよ。オアシスなんです。このオアシスをとりあげられたら、僕はメンタルが保たないかもしれない」
妻も娘も強かったが、彼だけが弱さを引きずっているようだ。
その後、娘は大学に合格し、現在はアルバイトと学業に明け暮れているらしい。だがあのときから遼平さんとはほとんど口をきかない。彼も再就職先での仕事に慣れ、だんだん忙しくなってきている。
「正直言うと、今も店に通っている僕は娘にあわせる顔がない。でも僕にとって必要な場所だからしかたがないという思いもある。今は家族がみんな、自分のことで精一杯になっている。4人で食事をすることもあまりないし、妻も息子の分の夕食は作るけど、それ以外は非常に適当になっている。僕、帰ってきてから自分で食事を作ることもよくありますよ」
いつでもごはんだけは保温状態になっているので、おかずを買って帰れば食事はできる。ひとりでテーブルにつくことも珍しくなくなった。家族はこうやってバラバラになっていくんだろうと考えている。
「いつか娘と対峙するときがくるかもしれません。娘があのとき、離婚したほうがいいよと行った声が耳にこびりついています。もしかしたら、妻もそう思っているんじゃないかと考えることもある。息子が大学に入ったら、家族の行く末が決まるのかなと思っています」
この一家は崩壊しつつあるのか、再構築ができるのか。彼自身にも見通しが立たないようだ。それでも淡々と、日常は過ぎていく。
遼平さんが抱える“弱さ”。それは【前編】で紹介している生育環境、そして大学時代の恋人の「オジサン」事件の影響なのかもしれない――
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