警告を無視する迷惑客が続出! 富士山に群がる非常識なインバウンド観光客はいつまで許されるか

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筋肉自慢のインド人

 にもかかわらず、富士山をなめているとしか思えない者は後を絶たない。

 インドからやって来たサングラスの男性は、半ズボン姿でペットボトルと雨傘一本をぶら下げて登るつもりだという。登山口で指導員がしきりに注意しても、ニヤリと笑って、

「オレは筋肉をつけているから平気だぜ」

 そのままスタスタと登って行った。

 半ズボン姿は珍しくない。アメリカから来た男性もやはり同様のスタイルで上を目指すのだという。

「私たちは注意はできても止められないんです。でも、すぐ上は風速10メートル以上、気温も6度で、体感温度は氷点下。おそらく7合目ぐらいで音を上げて下りてくるでしょうね」(指導員)

 他にもお金も払わず登ろうとしたのは香港から来たカップル。防風、防水のつもりかゴミ袋を巻き付けているのだが、それに何の意味があるのだろうか。

 もちろんこうした人たちがトラブルに巻き込まれた場合には、日本側で対応しなければならないのだ。

 常識的な観光客、登山客のみならず非常識な輩や変わり者も引きつけるほど富士山には魅力があるのだ――で片付けていいはずがない。「景気回復の起爆剤」などと言って、インバウンドをもてはやす風潮はいつまで続くのか。

撮影・福田正紀

週刊新潮 2024年7月11日号掲載

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