名門・県立浦和高校にも「男女共学」を求める声が…当事者からは反対意見多数「選択の幅が狭められることになる」

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保護者の8~9割が共学反対

 今年4月には浦和高、浦和一女、春日部、川越女子の同窓会長が埼玉県政記者クラブにて会見を実施。その中で、別学に通いたい層が公立に通えるよう配慮する必要性のほか、「男女の性差、発達の違いが大きいことから、別学の方が教育効果が高いという報告が世界的にもあり、その有意性が指摘されている」と紹介。さらに「ダイバーシティの観点から個人の選択できる範囲を可能な限り広げるべきだ」などと主張した。

 そうした中で埼玉県の公立高別学12校の保護者代表が、各校で現在の保護者にアンケートを実施したところ、多くの学校で8~9割が共学に反対しているとの結果が出ているという。

 加えて野辺さんは「別学は私学に限らず国立高校にもある。筑波大学附属駒場高校は男子のみ、お茶の水女子大学附属高校は女子のみの生徒を募集している。更に『学校の特色、その歴史的経緯等に応じて』判断されるべきであるというのが政府見解であって、国は高校の共学化を求めていない」と訴える。

 現役の生徒や保護者の大きな反対によって、今回も男女別学維持が覆されるほどのうねりが生じているとは感じにくい状況だ。

 一方で、全国的な少子化の進展で、全国の私立高校や大学などで、男女別学だった学校が共学化する例も多く見られている。今後も公立高校男女別学の“最後の砦”として、埼玉県や栃木、群馬両県の別学高の行方が注目されそうだ。

デイリー新潮編集部

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