「パチンコの景品交換所か」とアンチの声も…自己嫌悪に悩んでいた「覆面シンガー」が前代未聞の握手会を行う背景

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ファンから直接的な承認獲得へ

 Adoは覆面シンガーとして活動を続ける中、ニコニコ動画を舞台にした第1段階、大ヒットアニメ映画との協業をきっかけとした商業的展開の大成功という第2段階を経て、ファンからの直接的な承認獲得という第3段階へ移行しようとしているようだ。

「握手は挨拶や承認の行為として社会的な意味を持ちます。ファンとの肌と肌の接触を通じて得られる肯定的なフィードバックがAdoの自己評価に好影響を与える可能性は大きいです。自己嫌悪に悩んでいたAdoですが、今回の握手会を機にこれまで保持してきた匿名性というバリアを超え、ファンと身体的、感情的なつながりをもっと持ちたいと思うようになっても不思議ではありません」(エンタメ誌編集者)。

 実際、Adoは7日放送のTBS系「日曜日の初耳学」に3年ぶりに出演し、今後の目標について「必ずグラミー賞を獲りたい」「海外で大きくなった上で、まだ日本のアーティスト、歌い手さんがやったことのない規模の世界ツアーを行う」と明かしたうえで、「しゃべりが苦手でコミュニケーション能力がなくコンプレックスだったが、今になって解消できるんじゃないか。無理と思うことほどやった方がいいと思った」と心境の変化を語った。

 この発言はかなり重大だ。なぜなら彼女のコンプレックが素顔を見せないステージングに繋がり、それが人気の源泉となっていたのに、そのスタイルを転換して“顔出し”する可能性を示唆したからだ。目標に掲げたグラミー賞の授賞式にシルエット出演というのはあり得ないだろう。

 Adoは覆面シンガーとしてのミステリアスな魅力が大きな特徴だ。この覆面性が彼女のファンベースを形成しているため、顔を公開するとAdoのミステリー性が薄れイメージダウンにつながるリスクは大きい。また、一部ファンがこの変化を受け入れず失望することも予想される。今回の握手会はまさに“諸刃の剣”と言えそうだ。

デイリー新潮編集部

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