田中将大(35)200勝“寸止め”の「延命工作」 大減俸は覚悟、進退懸ける“勝負手”とは

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「ハナから前半戦は投げないつもり」

 プロ野球楽天の田中将大投手(35)は1軍戦登板なしのまま前半戦を終えそうだ。昨年10月に右肘のクリーニング手術を受け、200勝まであと3勝で迎えた今季は開幕ローテーション入りを目指したものの間に合わず、その後は2軍でも実戦から遠ざかっている。チームは自身抜きで、球団創設20年目という節目のシーズンで交流戦初優勝を果たした。かつてのエースの影はすっかり薄くなり、球団史上初の名球会投手の誕生は見えてこない現状だが、田中将サイドはそれも織り込み済みのようだ。球団史上最高の投手が思い描く、逆襲に向けた緻密なプランとは――。

 今年3月、田中将は開幕を2軍で迎えると、4月中旬に予定されていた2軍戦登板を回避した。5月のゴールデンウイーク中には妻の里田まいさんが子連れでニューヨークに“里帰り”するなど、自身の開幕が近くないことは明らかだった。

 さる球界関係者はこう明かす。

「マー君の開幕1軍入りが厳しいという話は2月下旬には他球団関係者の間でも出回っていました。キャンプからなかなか状態が上がってこなかったことで、早々と断念していたようです。無理すれば、間に合わせることができたかもしれませんし、間に合わなくても前半中に1軍に上がれたのかもしれませんが、意図的にそうはしなかったように見えます。ハナから前半戦は投げないつもりで、是が非でも今季中に200勝とは考えていないのでしょう」

 楽天で日本球界に復帰した2021年、杜の都は田中将の凱旋に大いに盛り上がった。推定年俸9億円は日本選手史上最高だった。

 しかし、肝心の投球では4勝にとどまった。22、23年も9、7勝と2桁勝利に届かず、13年に24勝0敗と神懸かり的な成績を残したかつての姿はなかった。

「力の衰えは明らかでした。ヤンキース時代に痛めた右肘を保存療法としたことで、かわす投球になっていました。もう一度、ストレートを磨き直さなければ、完全復活はないとみていました」(NPB球団元監督)

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