月9「海のはじまり」 「silent」と似ている点、違う点はどこか……第1話をみたドラマ通の評価
月9ドラマ「海のはじまり」(フジテレビ)が7月1日にスタートした。初回の視聴率は8・0%で、月9としては久しぶりの好発進、SNSの評価も上々だった(以下、視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯)。
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【写真】「さすがSilent制作陣…」 実は「月9初回視聴率8・0%以上」は昨年4月期以来だった 他の月9と比べてみる
月9の初回8%超は、昨年4月期の「風間公親-教場0-」以来となる。
●23年4月期「風間公親-教場0-」
【初回12・1%、平均9・8%】主演:木村拓哉
●23年7月期「真夏のシンデレラ」
【初回6・9%、平均5・7%】主演:森七菜、間宮祥太朗
●23年10月期「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」
【初回7・8%、平均5・3%】主演:二宮和也、中谷美紀、大沢たかお
●24年1月期「君が心をくれたから」
【初回7・2%、平均5・8%】主演:永野芽郁、山田裕貴
●24年4月期「366日」
【初回7・2%、平均6・1%】主演:広瀬アリス
この1年、いかに低調だったかがわかる。しかも、上記のドラマはいずれも初回が最高視聴率だった。それゆえ「海のはじまり」の好発進も同じ轍を踏む可能性はある。ところが、民放プロデューサーはそれを否定する。
「『海のはじまり』の脚本は生方美久さん、演出は風間太樹さん、そしてプロデューサーは村瀬健さんで、あの『silent』のスタッフが再結集。『silent』で主演した川口春奈こそいませんが、その相手役だったSnow Manの目黒蓮が主役で、奇を衒わぬ純粋なラブストーリーであることも一緒です。初回から『silent』を彷彿させる話運びやカメラアングル、ロケ場所もSNSで話題になっています。最近の月9とは違って勢いがありますね」
22年10月期にフジの木曜22時枠で放送された「silent」は、TVerでの再生数が計7300万回超えの歴代最高を記録した。
スマホドラマ
デイリー新潮は同年11月10日配信の「『silent』はZ世代対応“スマホドラマ” 部屋に独りで籠もって泣ける“意外な工夫”とは」で人気の理由を探った。
《『silent』はお茶の間の大画面テレビではなく、スマホでの視聴に適した作りになっています。(中略)2ショットが多いため、小さな画面でも見やすくなっています。また自然光で撮影されたシーンが多く、照明も太陽光に近い色なので、切ない場面でも温かみを感じさせる。若者たちは自分の部屋で独りでひっそりと見て、誰にも邪魔されず涙を流せるのです》
さらに、
《見逃し配信でもっとも再生数の多いTVerの場合、再生速度は最高でも1・75倍です。『silent』はこのスピードでも台詞が聞き取りやすくなっている。例えば、11月3日放送の第5話で話題となった、川口が3年間交際していた鈴鹿との別れを決意する電話のシーンは、『渡鬼』(TBS)の橋田壽賀子さんもビックリの長台詞と長回しでした。このシーンを1・75倍で再生しても、BGMが小さな音で流されているので、2人の台詞はしっかり聞き取れます》
これを「海のはじまり」も踏襲しているというのだ。
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